EXHIBITIONS

青森をアートでたどるプロジェクト

原 高史〈AOMORI MAPPINK MEMORY「記憶の未来」〉

弘前れんが倉庫美術館、弘南鉄道 弘南線 車両および主要駅(弘前駅・平賀駅・黒石駅)、JR弘前駅 津軽ラウンジ内

2022.09.14 - 11.13

アート列車 車両のイメージ

アート列車 車両のイメージ

弘前れんが倉庫美術館 外観イメージ

 青森をアートでたどるプロジェクト「原 高史『AOMORI MAPPINK MEMORY『記憶の未来』」が、弘前れんが倉庫美術館および弘南鉄道の弘南線車両・主要駅(弘前駅・平賀駅・黒石駅)などで行われる。本展ディレクションは南條史生。

 青森県では2020年より、県内にある5つの美術館・アートセンター(青森県立美術館、青森公立大学国際芸術センター 青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館)から、アートを通じて青森の魅力を発信する「5館が五感を刺激する―AOMORI GOKAN」をスタートさせた。

 アーティストの原高史を招いた今回のプロジェクト「原高史『AOMORI MAPPINK MEMORY 「記憶の未来』」は、弘前れんが倉庫美術館とその周辺で実施され、アートを通して土地の歴史や文化、記憶をたどりながら、街の魅力を再発見してもらうことを目的のひとつとしている。

 原は1968年東京都生まれ。90年代後半よりインスタレーション、プロジェクト、絵画作品を美術館などで発表してきた。主な活動として、地域の人々とのコミュニケーションを通して得られた「ことば」を絵とともにパネルに描き、歴史的建物や地域一帯の窓をピンクで埋め尽くすプロジェクト「Signs of Memory」などがある。

 9月14日から始まるプロジェクトのキーワードは「MAPPINK TIME MACHINE」、そして「MAPPINK STATION」。ねぷたやりんご栽培など、青森の風土に育まれた情熱やりんごの蕾を想起させる鮮やかなピンク色をテーマカラーとし、弘南鉄道 弘南線の1車両をタイムマシーンに見立てたピンク色の「アート列車」が運行する。

 さらに、弘前れんが倉庫美術館や駅舎もピンク色に染まり、車内では地域の人々へのインタビュー映像などを上映。美しい青森の景色のなかを走るアート列車で、過去と未来を行き来し、場所の記憶や言葉から新しい価値や意味を考える機会とする。

 なおアート列車の運行は1日9往復を予定(車両点検で運休となる場合あり、最新の運行状況は弘南鉄道の公式Twitter、または0172-44-3136[弘南鉄道]
へ)。会期中は、アート列車の乗車や、周辺エリアへの周遊観光に最適なピンク色の1日乗車券「MAPPINK TICKET」と、特別冊子『MAPPINK BOOK』がセットになった「わのパス MAPPINK TICKET」の販売を行う。

 また連携企画として、2両編成となるアート列車のもう1車両の内装が、青森県立黒石高等学校情報デザイン科の学生によるデザインワーク「弘南鉄道沿線風景2022 高校生による『記憶の未来』」で彩られる。

 弘前れんが倉庫美術館を起点に、弘前駅と黒石駅を結ぶ弘南鉄道 弘南線を中心とした周辺エリアを、アートを通して巡る今回のプロジェクト。普段は目にふれることのない地域の魅力を顕在化し、再発見する試みとなる。