EXHIBITIONS

完璧に抗う方法 – the case against perfection –

図師雅人/田中 永峰 良佑「“うた”へ対う(責任あるいは、わりきれなさから)」

2022.09.03 - 09.19

田中永峰良佑 As a flower 2019

図師雅人 隠す、暴く、断つ、交ぜる、それでもなお、とる、 うたう、にがす 2019

「完璧に抗う方法 – the case against perfection -」は、図師雅人と藤林悠に呼びかけから始まった企画展(藤林悠は第3会期までの参加)。2021年11月より順番に、企画者を含む9名と1組のアーティストが、2人展を隔月で行ってきた。

 2人展形式の美術展覧会の開催にあたり、事前にリサーチとして出展作家の制作を始めた動機、過去作のすべてについてなど、作品にまつわるインタビューを行い、その内容から抽出しコンセプトを作成。アーティストの営みについて9名と1組の言葉を通してその経験を集積し、発された表現そのものがまた作家自身のもとへ還るまでの過程を垣間見ようとする。

 シリーズ最終回となる第5回は、図師雅人と田中永峰良佑による2人展「“うた”へ対う(責任あるいは、わりきれなさから)」が開催される。

 図師は1985年宮崎県生まれ、奈良県在住。2010年筑波大学人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻総合造形領域修了。目の前にあるものが様々な時や空間において開かれるようなかたちや場の在り方を探るため、素材やバリエーションを限定しない制作に取り組む。

 田中は1990年香川県生まれ、東京都在住。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻壁画研究領域修士課程修了。「社会の中のそれぞれの『私』」という言葉を大切に、この世界で生きるそれぞれの人生の可能性を探っている。また社会にあふれる情報や観念に、自分自身が実感できるものとしてできる限りふれて、その距離を変えて生きたいとしている。

 本展はタイトルにもあるように「うた」をキーワードとする。企画者の図師は、「例えばかつて、フィールド・ハラーやワーク・ソングが暮らしの中にあった。過酷な労働のなか絞り出される、憂いをおびたその声に、光を感じるのはなぜだろうか。本展は図師雅人、田中 永峰 良佑の活動と展望から、結果この問いへの態度を見出しつつ、本企画『完璧に抗う方法』の最後を締めくくる」と、ステイトメントのなかで述べている。

「完璧に抗う方法 – the case against perfection -」第1回から第5回までの出展作家は、藤林悠(第3会期まで企画に参加)、小野冬黄、戸田祥子、三枝愛、平野泰子、衣真一郎、佐藤史治と原口寛子、関真奈美、図師雅人、田中永峰良佑。