EXHIBITIONS

完璧に抗う方法 – the case against perfection –

佐藤史治と原口寛子/関真奈美「2人だけでも複雑/はじけて飛び散り、必然的にそこにおかれる」

2022.07.02 - 07.18

佐藤史治と原口寛子 「ツーツー」(2020)インスタレーション風景 写真=松尾宇人

関真奈美 六枚の視覚(2019) 撮影=中川周

「完璧に抗う方法 - the case against perfection - 」は、企画者の図師雅人と藤林悠を含む9名と1組のアーティストが、2人展を隔月で開催する展覧会シリーズ(藤林悠は第3会期まで企画に参加)。第4回は、佐藤史治と原口寛子/関真奈美による「2人だけでも複雑/はじけて飛び散り、必然的にそこにおかれる」を開催する。

 本企画は、展覧会の開催にあたり、事前にリサーチとして出展作家の制作を始めた動機、過去作すべてについてなど、作品にまつわるインタビューを行い、その内容から抽出しコンセプトを作成することから始まった。アーティストの営みについて各々の⾔葉を通してその経験を集積し、発された表現そのものがまた作家⾃⾝のもとへ還るまでの過程を垣間⾒ようとする。

 佐藤史治と原口寛子は2011年に結成した2人組のアーティスト・ユニット。人間関係の一番小さな網の目である2人というユニットを起点に、結び合わせたり隔たりする「あいだ」に関心を持ちながら、主に映像を用いた作品やプロジェクトを共同制作している。

 いっぽう関真奈美は、言語とイメージ、物理空間と多次元に代理表象された空間を往来する手続きを踏んで制作を行ってきた。近作はプログラムやシステムを人間の言語レベルで応用したパフォーマンス作品などを発表している。

 企画者は佐藤史治と原口寛子、関真奈美の2組について、「協働」と「異なる、もしくは拡張して表現される、時空間の存在の想起」を大きな共通点として挙げ、「私たちの生活の中に溢れる出会いは、何も目に見えている今だけの話ではなく、いつかどこかのだれかへ委ねられるものも必然的に含まれている」としつつ、「今回の展示において、佐藤原口と関の作品に触れることで、私たちがいつかどこかへの出会い、その一端に触れられることを喜んで期待したいと思う」と述べている(ステイトメントより抜粋)。

 これまで「完璧に抗う方法 - the case against perfection - 」は藤林悠と小野冬黄、戸田祥子と三枝愛、平野泰子と衣真一郎が2人展を開催。今年9月に予定している、図師雅人/田中永峰良佑「“うた”へ対う(責任あるいは、わりきれなさから)」展をもって締めくくられる。