EXHIBITIONS

国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術

鳥獣人物戯画 甲巻(部分) 京都・高山寺蔵  画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives 国宝 展示期間:9月3日~9月25日

鳥獣人物戯画 丁巻(部分) 京都・高山寺蔵  画像提供:東京国立博物館 Image:TNM Image Archives 国宝 展示期間:9月3日~9月25日

曾我蕭白 竹に鶏図 摘水軒記念文化振興財団蔵

鍬形蕙斎 鳥獣略画式 福岡市博物館蔵

子犬 京都・高山寺蔵 重要文化財

 福岡市美術館で、特別展「国宝 鳥獣戯画と愛らしき日本の美術」が開催される。

 高山寺に所蔵される国宝《鳥獣戯画》(鳥獣人物戯画)は、日本美術のなかでも、とくに人々から愛される作品だ。

 京都・栂尾(とがのお)にある高山寺は奈良時代の創建で、密教と華厳を修め生涯を仏道修行に捧げた明恵(みょうえ)上人によって鎌倉時代の初めに再興したとされる。明恵上人の教えを継承する学問寺としてその歴史を刻むとともに、《鳥獣戯画》をはじめとする多くの文化財を今日に伝えている。

 本展では、《鳥獣戯画》の魅力を支える「動物モチーフ」と「表現の簡潔さとユーモア」というテーマに沿って、日本美術を紹介する

 前期(9月3日~25日)では《鳥獣戯画》「甲巻」「丁巻」の場面を、後期(9月27日~10月16日)では「乙巻」「丙巻」の場面を展示。加えて、曾我蕭白や鍬形蕙斎らの絵画、本阿弥光悦書・俵屋宗達下絵の《桐下絵新古今和歌扇面》、鎌倉時代に制作された重要文化財《子犬》などを紹介する(会期中、一部作品の展示替えあり)。

 また関連企画としてコレクション展示室では、「明恵礼讃 『日本最古之茶園』高山寺と近代数寄者たち」(〜10月23日)も開催。 1931(昭和6)年に京都・高山寺で営まれた明恵上人の七百年遠忌法要に際し、数寄者たちが寄進した茶道具の数々を公開している。