EXHIBITIONS

小沢剛「BETA BETA コロナの頃」

2022.09.02 - 10.15

小沢剛 α 2020-2022

 小沢剛「BETA BETA コロナの頃」展が開催される。MISA SHIN GALLERYでは3年ぶりとなる個展。

 小沢は1965年東京都生まれ。91年東京藝術大学大学院美術研究科壁画専攻修了。世界各地に自作の地蔵を置き写真に収めた作品「地蔵建立」、牛乳箱を用いてアートを展示する超小型移動式ギャラリー「なすび画廊」、美術史の名画を醤油で模写する「醤油画資料館」、野菜で作られた武器を持つ女性のポートレイトのシリーズ「ベジタブル・ウェポン」などが代表作として知られている。近年の個展に「小沢剛展 オールリターン —百年たったら帰っておいで 百年たてばその意味わかる」(弘前れんが倉庫美術館、2020〜21)、「小沢剛 不完全−パラレルな美術史」(千葉市美術館、2018)。芸術祭や国際展への参加多数。

 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い緊急事態宣言が発令された2020年4月以来、それまでプロジェクトや展覧会などのため頻繁に渡航し、フィールドワークなどを通じ様々な人と出会い、共同でプロジェクトを進めることの多かった小沢の生活も一変した。

 本展では、小沢がコロナ禍をきっかけに制作を始めたペインティング、ドローイングを展示する。家のなかで目についた日用品のスケッチや、自身が以前描き始めて放置していた作品を描き上げたもの、子供の絵の模写をもとに制作した油彩画、断片的なアイディアやその時思いついた思考をかたちにした作品、また展覧会の構想など、スタジオで小沢がひとり自分と向き合い制作した作品が並ぶ。

 他者と隔離されたこの期間中、小沢が自分自身を保ち、時間をやり過ごすために始めたスタジオでの制作は、習慣となり現在も続いているという。これまでの様々な小沢のシリーズ作品と異なり、明確な目的はないが、これまでと違った日常のなかで制作された作品は、逆に小沢自身の姿や内面を色濃く映し出しているという。