EXHIBITIONS

平川紀道・野村康生 既知の宇宙|未知なる日常

2022.07.02 - 08.29

野村康生 InsideOut 2022

平川紀道 sunlight spectrum sonification 2022

 島根県立石見美術館では、企画展「平川紀道・野村康生 既知の宇宙|未知なる日常」を開催。島根県浜田市出身の平川紀道と、益田市出身の野村康生が、生まれ育った島根県西部・石見地域で新作を披露する。

 1982年生まれの平川はコンピューター・プログラミングを駆使した映像・音響インスタレーションを中心に、国内外の美術展や芸術祭などで活躍。いっぽう野村は、高次元(4次元以上の次元)や宇宙についての考察をテーマに絵画を制作していたが、2018年にニューヨークに拠点を移して以降は、体験型のインスタレーションを発表している。

 2人は同世代、同じ地域の出身であるだけでなく、ともに東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)でアーティスト・イン・レジデンスプログラムに参加する(野村は2015年、平川は2016年)など、アートとサイエンスの領域をまたぐ活動をしているという共通項を持つ。

「眼で見ているもの、耳で聞いているものは世界そのものではない」とする平川と、「あなたが今見ている世界は、どこまでが本当に実在する世界でしょうか」と問いかける野村。2人が本展で見せる、未知のものごとを考えるための「スペキュラティブ」な作品は、私たちの身体や知覚を揺さぶるだろう。