EXHIBITIONS

藤元明 個展「実在の屈折|Refraction of Reality」

2022.07.23 - 08.28

藤元明 Wiring Diagram #07(部分) 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤元明 Landslide #Border 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤元明 Landslide #Border(部分) 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤元明 Wiring Diagram #04(部分) 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤元明 Replacement(部分) 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

藤元明 Replacement(部分) 2022
© Akira Fujimoto Courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 藤元明の個展「実在の屈折|Refraction of Reality」が、KANA KAWANISHI GALLERYで開催されている。

 藤元は1975年東京都生まれ。東京藝術大学大学院を修了後、コミュニケーションリサーチセンター「FABRICA」(イタリア)に在籍。社会、環境などで起こる制御できない現象をメタとして視覚的物理現象に置き換え、様々な素材で作品を展開し、社会へと問いかける展示やプロジェクトを立案・実施してきた。主なプロジェクトに「ソノ アイダ」や「TOKYO 2021」「陸の海ごみ」などがある。

 今回、これまで独自の活動を行ってきた藤元が、アーティストとして改めて絵画作品に向き合うべく個展を構成する。

「思ってもなかった戦争、終わると思っていたCOVID-19、観測史上始まって以来の大雨、元首相の銃撃など。我々の棲む現実は、想像や見解、予想からズレた向こう側から突如現れるのである。私には屈折した世界の表層しか見ることができないが、作品では見えない向こう側の実在を描こうと思うのである」と語る藤元。本展で発表する「Wiring Diagram」シリーズは、光の反射が屈折する支持体に描かれた極細線の集合によって空間認識を反転させた抽象絵画だ。

 いっぽう「Landslide #Border」は、ブルーとイエローの2色で構成された面に、白・青・赤の三色が国境を侵蝕する様相を表象化した作品。加えて本展では、時間の不可逆性を操作する「Replacement」シリーズの新作も展示し、つねに前進し続ける藤元の表現の最先端を見せる。