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EXHIBITIONS

梅津庸一個展「器に就て」

同時期開催:梅津庸一企画展「オリエンタリズムと想像力」/梅津庸一個展「濡れた粘土が乾くまで」

gallery KOHARA
2022.07.16 - 08.08

メインビジュアル

梅津庸一 レンコン状の月 2021

 アーティスト・梅津庸一による企画「窯業の町、信楽で」が、滋賀県甲賀市で開催される。窯業の町、信楽を散策しながら「やきもの」を起点に芸術と産業について考える試み。

 梅津は現在、信楽にアパートを借り、信楽町にある丸倍製陶の一角を間借りして作陶に没頭する日々を送っている。これまでの絵画制作では、直接画材の製造元との交流はなかったが、作陶にあたっては素材について相談するため、窯や粘土や釉薬などを製造するメーカーに足繁く通っているという。

 昨年は半年間に500点近い陶作品を生み出し、陶芸を通して、「『人がものをつくるとはなにか』という根本的な問いと出会い直したように思う。わたしにとって陶芸はたんに表現のメディウムの1つではないのだ」と述べている。

 今回のプログラム「窯業の町、信楽で」は、「芸術」や「つくること」、ひいては地域アートや芸術祭を再考できる機会になればと、信楽駅周辺の協力を得て企画されたもの。期間中には3つの展覧会がgallery KOHARA、陶園、丸倍の自習室で開催される。

 信楽駅口交差点にあるジャズの流れる器のギャラリーショップ「gallery KOHARA」での個展は「器に就て」(7月16日~8月8日)と題し、梅津作品における器へのアプローチに着目。かつてピーター・ヴォーコスは穴の空いた器「アイス・バケット」をつくったが、梅津は器をひっくり返しオブジェの台座に仕立てる。ギャラリーのオーナー・小原康裕は陶芸家でもある。

 梅津の企画展「オリエンタリズムと想像力」(7月16日〜8月3日)の会場となる「陶園」は、信楽でもっとも歴史あるカフェギャラリー。店内には元走泥社の笹山忠保による衝立をはじめとして数々の陶芸家の作品が並んでいる。

 今回は2階のギャラリーを借り、梅津が陶芸に興味を持つきっかけとなった「民藝」をテーマとして、伊藤昭人、ジェイムス・グリーグ、バージニア・クリセヴィシュートを紹介する。

 河井寛次郎の流れを汲む伊藤昭人、日本の「民藝運動」の影響を受けたニュージーランドの陶芸家ジェイムス・グリーグ、スウェーデンで陶芸を学び近代的な人体彫刻を学ぶために日本に留学した経歴を持つバージニア・クリセヴィシュート、また本展では、信楽の陶器店で見かけて蒐集した量産品の器や、器の絵付けを彷彿とさせる梅津のドローイングも展示される。

「丸倍の自習室」で開催する「濡れた粘土が乾くまで」(7月16日〜8月3日)は、丸倍製陶を間借りした梅津の工房を会場とした個展。通常であれば展覧会に出展されることのない焼かれる前の生の粘土、そして陶工と美術家の間で揺れる梅津の自我がつくり出す空間の秩序を見せ、日々の作陶の痕跡とほんの少しの演出によってワーク・イン・プログレスでもスタジオビューイングでもないものを目指す。

 梅津は「展覧会場はgallery KOHARA、陶園、丸倍の自習室の3箇所ですが上記のスポットにも是非とも足を運んでいただきたい。営業日などの兼ね合いもあるのであくまでも参考程度に自分なりの回り方で散策を楽しんでいただきたい」とコメント。散策のヒントとして、おすすめのレストランやスポットをいくつか挙げている(下部インフォメーション欄に記載)。展覧会の鑑賞とともに、信楽駅周辺を巡ってみてはいかがだろうか。