EXHIBITIONS

馬嘉豪個展「シャトレーナガシマ」

2022.06.18 - 07.03
 中国出身のアーティスト・馬嘉豪(マ・ジャホウ)の個展「シャトレーナガシマ」がARTDYNEで開催されている。

 馬は1996年生まれ。2015年に来日、翌年に多摩美術大学油絵学科に入学。20年に同大学を卒業し、現在は埼玉県にて制作を行う。受賞歴に福沢一郎賞入賞(2020)、第22回岡本太郎現代芸術賞入選(2019)、第4回CAF賞入選(2017)。日本での個展開催、グループ展やアートフェアにも精力的に参加するなど、その動向が注目されている。

 一貫して社会における人々の在り方を探求してきた馬は今回、自身が来日してから最初に住んでいたアパートメントのありさまを再現。美術大学受験後、自由を与えられた作家が生活のなかで目標や動機を失い、ただ時間を消費していく物体と化していた状況を追体験できる場がギャラリーに現れる。

 会期中、作家は在廊し通常の生活を営む(状況によって不在の場合あり)。対して観客は、自由、虚無、空回りの欲望、そんなあらゆる「不健全」なものが充満する部屋で、「鬱」のなかに見え隠れする「欲」を探す(膨大なゴミのなかから作品を探す)作業を強いられる。

「鬱と欲は表裏一体であり、何が鬱を鬱たらしめるのか、欲を欲たらしめるのかを伝えたい」という作家の言葉から何を読み取ることができるのか、インスタレーションのなかで実際に体験してもらえたらとしている。