EXHIBITIONS

磯崎寛也詩画集『ソラリスの襞』刊行記念 伊藤公象作品展

伊藤公象 ソラリスの襞 紙と土による襞のドローイング 2022

伊藤公象 ソラリスの襞 紙と土による襞のドローイング 2022

『ソラリスの襞』(磯﨑寛也・著 伊藤公象・画)表紙イメージ

 磯崎寛也の詩画集『ソラリスの襞』(芸術新聞社)が刊行。これ記念して、本書の挿画を担当した現代美術家・伊藤公象による作品展が銀座 蔦屋書店で開催される。

 複数の企業の経営に携わりながら、数々のアートプロジェクトをディレクションしている、磯崎寛也。青年時代に詩人を志したことがあった磯崎は、2017年から2度にわたって患った大病をきっかけに、ふたたび作詩に取り組んでいる。2018年には茨城県水戸市にギャラリー「ARTS ISOZAKI」をオープンし、現代美術家・伊藤公象らの作品からインスピレーションを得て詩作を深めることとなった。

 今回刊行する詩画集『ソラリスの襞』の名は、同ギャラリーにおける伊藤の2度目の個展「ソラリスの海《回帰記憶》のなかで」にちなんだもの。大病からの回復過程で「生命を発見」し、そして自らの言葉をみつけた詩人・磯崎寛也の心の叫びがつづられている。

 本書にて挿画を担当した伊藤は、土を素材として陶造形をおこなう現代美術家だ。土を凍らせる、または、乾燥させることで生じる土の収縮や亀裂など、自然現象を活かした独自の造形は世界的に注目されてきた。

 本展では、磯崎による詩集のために伊藤が描き下ろした挿画を公開する。挿画は、インクでプリントされたイメージに、被せられた陶土が乾燥・収縮することで、紙に複雑な襞(ひだ)のある色彩と形態が出現した。土に潜むエロス(生命)を表現し続けてきた伊藤が、90歳にして挑んだ初のカラードローイングとなる。

 また会場では立体作品も展示。出品作の販売は銀座 蔦屋書店の店頭およびアートのオンラインマーケットプレイス「OIL by 美術⼿帖」にて行われる。