EXHIBITIONS

水戸部七絵「War is not over」

2022.06.04 - 07.02

キービジュアル

 水戸部七絵の個展「War is not over」がvoid+で開催。ロックスターを描くシリーズ「Rock is Dead」の第2弾として、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの活動を主に引用した新作を公開する。

 水戸部は神奈川県生まれ2011年に名古屋造形芸術大学造形学部洋画コース卒業し、現在は東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画(油画第一研究室)に在籍。アノニマスのポートレイトを抽象画にした「DEPTH」シリーズをはじめ、顔をテーマにした絵画を制作してきた。

「Rock is Dead」シリーズの第1弾では、近年ゾンビ・フォーマリズムといわれる絵画作品がマーケットに氾濫している状況で、あえてデビット・ボウイやQueenなどのアイコニックなロックスターをモチーフに、独自のスタンスで絵画や芸術の本質に迫った。

 コロナ禍以後は、世界のニュースを見ながら琴線に触れる政治やジェンダー、人種、アートの問題を感じたままに描いた絵日記をスタート。東京オペラシティ アートギャラリーの「project N 85 水戸部七絵」展において、物量のある多彩な作品を発表した。

 本展で展示される新作《War is not over》からは、前回のロックスターシリーズからさらに踏み込んだ、昨今の社会情勢に対する水戸部の関心がうかがえる。重量と質量を持つ超厚塗りの絵画には、水戸部の平和への願いが込められ、油絵具の塊とその匂いは現実のこととして私たちに問いかけてくる。