EXHIBITIONS

中島晴矢「オイル・オン・タウンスケープ」

2022.06.09 - 06.26

中島晴矢『オイル・オン・タウンスケープ』表紙イメージ

 アーティスト・中島晴矢の初エッセイ集刊行を記念した展覧会「オイル・オン・タウンスケープ」がNADiff a/p/a/r/tで開催される。

 中島は1989年神奈川県生まれ。現代美術、文筆、ラップなど、インディペンデントとして多様な場やヒトと関わりながら領域横断的な活動を展開し、現代社会や都市が抱える問題を風刺的に表現してきた。主な個展に「東京を鼻から吸って踊れ」(gallery αM、東京、2019〜20)、キュレーション展に「SURVIBIA!!」(NEWTOWN、東京、2018)など。美学校「現代アートの勝手口」講師も務めている。

 今回刊行される中島の初となるエッセイ集『オイル・オン・タウンスケープ』は、東京オリンピックの開催や、新型コロナウイルスのパンデミックによって、東京の街が急激な変化を伴った時期に執筆された。作中ではかつて自身が潜在した町屋、渋谷、麻布といった東京の街の変わりゆく風景を、いくつもの時間軸を交差しながら記述。独学で画家を志し戦前の東京を描いた洋画家・長谷川利行の軌跡とも重ねあわせつつ、作者の街歩きが進行していく内容となる。

 中島は東京近郊のニュータウンを原風景とする出自から、東京や郊外の空間に自らの身体を介入させ、リアルな都市像を批評的にあぶりだす作品をこれまでも手がけてきた。新刊のエッセイ集や油絵作品においても、現在の東京の断片を独自の視点で提示している。

 NADiff a/p/a/r/tではエッセイ集発売を記念し、同書のために描き下ろした油絵作品を展示。また6月11日には、モブ・ノリオ(芥川賞受賞作家)とのオンライントークイベントも予定している。