EXHIBITIONS
竹久直樹「スーサイドシート」
アーティスト・竹久直樹の個展「スーサイドシート」が、新宿歌舞伎町のデカメロンで開催中。本展はデカメロンおよび代々木のTOHを会場とする「新宿流転芸術祭」(主催:株式会社ワインライス)の一部であり、キュレーションは吉田山が務める。
竹久は1995年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。2019年よりセミトランスペアレント・デザイン所属。主にソーシャルメディア普及後における写真を扱いながら、撮影を行っている。近年の主な展覧会企画に「power/point」(アキバタマビ21、東京、2022)、「ディスディスプレイ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2021)、展覧会に「沈黙のカテゴリー」(クリエイティブセンター大阪、2021)、「エクメネ」(BLOCK HOUSE、東京、2020)、「セルフポートレイツ」(新宿眼科画廊、2018)などがある。
本展のキュレーションを務める吉田山が寄せた考察の一部は以下の通りだ。
「竹久が写真撮影時に重要とするポイントが『カメラ本体でも撮影する本人の意思』でもなく、『写真を撮影するためのロケーションまで行く道中の車内でのあれこれ』という間延びしたプロセス自体が《撮影する》という言葉の背骨となります。ロード・ムービーさながら自動車に乗りこみ移動し、被写体やアーティスト性、様々な既存の枠組みから離れていくこと、それはまるで幽体離脱のようであり、今展の竹久の言う《撮影する》という言葉に集約されていきます。しかし、竹久自身は免許がない。目的地まで助手席に座る。英語圏では事故時の死傷率が最も高い席とのことでスーサイドシートと呼ばれるらしい。事件に出会う席。撮影とは事件に出会う事でもある。その助手席の自動車は今はもう廃車となってしまった。アーティスト竹久直樹と、廃車となった自動車がこの展覧会によって再会を果たし、一度は停止した《撮影する》が再び動き始めることでしょう。」
竹久は1995年生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース卒業。2019年よりセミトランスペアレント・デザイン所属。主にソーシャルメディア普及後における写真を扱いながら、撮影を行っている。近年の主な展覧会企画に「power/point」(アキバタマビ21、東京、2022)、「ディスディスプレイ」(CALM & PUNK GALLERY、東京、2021)、展覧会に「沈黙のカテゴリー」(クリエイティブセンター大阪、2021)、「エクメネ」(BLOCK HOUSE、東京、2020)、「セルフポートレイツ」(新宿眼科画廊、2018)などがある。
本展のキュレーションを務める吉田山が寄せた考察の一部は以下の通りだ。
「竹久が写真撮影時に重要とするポイントが『カメラ本体でも撮影する本人の意思』でもなく、『写真を撮影するためのロケーションまで行く道中の車内でのあれこれ』という間延びしたプロセス自体が《撮影する》という言葉の背骨となります。ロード・ムービーさながら自動車に乗りこみ移動し、被写体やアーティスト性、様々な既存の枠組みから離れていくこと、それはまるで幽体離脱のようであり、今展の竹久の言う《撮影する》という言葉に集約されていきます。しかし、竹久自身は免許がない。目的地まで助手席に座る。英語圏では事故時の死傷率が最も高い席とのことでスーサイドシートと呼ばれるらしい。事件に出会う席。撮影とは事件に出会う事でもある。その助手席の自動車は今はもう廃車となってしまった。アーティスト竹久直樹と、廃車となった自動車がこの展覧会によって再会を果たし、一度は停止した《撮影する》が再び動き始めることでしょう。」