ARTISTS

アレックス・カッツ

Alex Katz

 アレックス・カッツは1927年ニューヨーク・ブルックリン生まれ。ニューヨークのクーパーユニオン大学、メイン州のスカウヒーガン美術学校で絵画を学ぶ。家族や友人など、身近な人々をモデルとした平面的な肖像画や風景画で知られ、作品はシンプルな色合いと画面全体を使った大胆な構図が特徴。絵具の乾きを待たずに塗り重ねるウェット・イン・ウェットの手法などを用い、肖像画と風景画のどちらにおいても写真ではなく実際のスケッチをもとに描く。50年代に隆盛した抽象表現主義とポップ・アート、大衆文化や街のビルボードなどに影響を受けつつ、現在まで独自の具象表現を貫いている。絵画のほか、薄いアルミ板や木板に肖像を描いて切り抜くカットアウト彫刻や舞台美術なども手がけている。54年、ニューヨークのロコ・ギャラリーで初個展。71年にユタ美術館で、86年にホイットニー美術館で回顧展が開催。2007年にニューヨークのナショナル・アカデミー美術館から生涯功績賞を贈られる。