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表良樹

Yoshiki Omote

 表良樹は1992年大阪生まれ、2014年京都造形芸術大学美術工芸学科総合造形領域卒業、16年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。大きな運動や成り⽴ちを、日常的なスケールに転換させる作品群を制作してきた。地殻変動や大気など、生活者の視点では捉えづらいより大きな周辺の現象を、彫刻作品などに投影し、身体的に実感し得るものとして提⽰している。

 代表作《Tectonics》では、プラスチック製の日用品の内部にさまざまな色相のポリエステル製樹脂を流し込み、攪拌させ、それを積層させた後、落下などの衝撃を与えて断面を露わにさせることで作品を完成させている。彫刻作品といえば、通常は表面の形状や様相で造形を判断されるものだが、表の作品は、内側の造形に⾄るまでの過程や時間をも織り込んでおり、固有の広がりを内在させている。メディウムとしては人⼯物であるプラスチックを起用しつつも、その造形は自然現象にプロセスの多くを委ねることで、人⼯物と自然現象をないまぜにしながら、鑑賞者の身体性に訴える。