小津 航／表 良樹／増田 将大 グループ展「Anthropocene（アントロポセン）」

　銀座 蔦屋書店のアートウォールギャラリーにて、気鋭のアーティスト3名、小津航、表良樹、増田将大によるグループ展が開催されている。

　クラーナハやシャルダンの絵画、歌川広重の浮世絵、またフランドル絵画から着想を得て制作を行い、最近作ではアトリエの床に置いたリンゴをモチーフに描く小津。色鮮やかな断面を持つ彫刻作品によって、地殻変動や大気といったとらえづらい現象を実感し得るものとして提⽰する表。何気ない⾵景を撮影し、その画像をプロジェクターで同じ場所に投影したイメージを、さらにシルクスクリーンによってキャンバスに刷り重ねた重層的な作品を制作する増田。

　それぞれ表現方法の異なる3名の多様な作品群を一堂に展示した本展では、日常に存在する見慣れた事物、事象、風景を、アーティストの独特の視点により可視化した作品を介して、現代の私たちを取り巻く環境や時代を見ることができる。

　本展タイトル「Anthropocene（アントロポセン）」は、地質学の見地から「新たな時代」を意味する「Anthropocene」と、文化（アート）の新たな時代という意味を重ね合わせた造語。「現代」という時代の表層を、3名のアーティストの作品を通じて提案する。