ARTISTS

ティノ・セーガル

Tino Sehgal

 ティノ・セーガルは1976年イギリス・ロンドン生まれ、ベルリン在住。フンボルト大学(ベルリン)で政治経済、フォルクヴァング芸術大学でダンスを学び、2000年からアーティストとして活動。「もの」としての作品・展示は一切行わず、案内役の子供に同じ質問を繰り返させる《プログレス》(2010)、展示室の監視員に出品作のキャプションを歌わせる《これはプロパガンダ》(2002)など、他人に指示を与え、鑑賞者にある状況を体験させるパフォーマンス作品を発表している。「構築された状況」と呼ぶ一連のパフォーマンスの記録は禁止され、パフォーマーと鑑賞者のみが作品を記憶することができる。

 13年にヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。これまで、パレ・ド・トーキョー(パリ、2016)、テート・モダン(ロンドン、2012)、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2010)など、世界の主要な美術館で個展を開催してきた。日本ではこれまで、「トラベラー:まだ見ぬ地を踏むために」(国立国際美術館、大阪、2018)、横浜トリエンナーレ2008に出展。19年、美術家・杉本博司の設計による小田原文化財団江之浦測候所でプロジェクト「ティノ・セーガル@江之浦測候所」を展開。測候所内部の野点席を舞台にパフォーマー数名が身体と声を使った「ライブワーク」を行い、自然が発する音と共鳴する空間を生み出した。「岡山芸術交流2019 IF THE SNAKE もし蛇が」にも参加。