杉本博司自らが設計した巨大施設「小田原文化財団 江之浦測候所」。ここで、世界を代表する現代美術家がプロジェクトを展開する。
江之浦測候所は、2017年10月に開館した文化施設で、敷地内には室町時代に鎌倉の建長寺派明月院の正門として建てられた明月門をはじめ、石舞台や光学硝子舞台などがあり、いまもなお拡大が続いている。
この場所で、オープン以来初となる現代美術プロジェクトが「ティノ・セーガル@江之浦測候所」(10月4日~11月4日)だ。
ティノ・セーガルは1976年ロンドン生まれ。現在はベルリンを拠点に活動するアーティスト。「もの」としての作品・展示は一切行わず、「構築された状況」と呼ぶ、作家の指示に基づいたパフォーマーの動きで観客をある体験に誘う作品で知られている。2013年にはヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞。これまで、パレ・ド・トーキョー(パリ、2016)やアムステルダム市立美術館(2015)、テート・モダン(ロンドン、2012)、グッゲンハイム美術館(ニューヨーク、2010)など、世界の名だたる美術館で個展を開催してきた。
セーガルは1ヶ月という会期の中で、何を起こすのか。その全貌は、会場を訪れた者だけが知ることができる。
なおセーガルは、今年2回目を迎える芸術祭「岡山芸術交流 2019」(9月27日~11月24日)への参加も決定している。こちらもあわせてチェックしたい。