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松谷武判

マツタニタケサダ

東京オペラシティ アートギャラリーでの展示風景より

 松谷は1937年大阪生まれ。14歳で結核にかかり、22歳までの8年間を闘病生活に費やした。この期間に日本画を学び、63年には具体美術協会に加入。松谷は当時の新素材であるビニール系接着剤を用いてレリーフ状の作品を制作し、注目を集めた。その後66年に渡仏し、パリを拠点に版画制作に取り組み始め、ボンドと鉛筆の黒鉛を組み合わせた独自の作品スタイルを確立。さらに、インスタレーションやパフォーマンスの分野でも独自の表現を展開し、87歳を迎えたいまもなお旺盛な創作活動を続けている。

 2017年に第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展のメイン企画「Viva Arte Viva」に参加。また19年にはパリのポンピドゥー・センターで回顧展を開催。現在は世界的なメガギャラリーである「HAUSER & WIRTH(ハウザー&ワース)」が松谷を取り扱っており、国際的な再評価の機運が高まっている。2024年には東京オペラシティ アートギャラリーで国内初の大規模個展が開催。