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キム・ソンヘ

Kim Songhe

 キム・ソンヘは1982年に在日朝鮮人の三世として東京に生まれる。18歳まで朝鮮学校に通った後、織田ファッション専門学校に進学。卒業後作家活動を始め、2005年セレクトショップ「Loveless」にて展示したシャンデリア作品が注目を集めたのを契機にシャンデリア作家として独立。以降、国内外の企業やブランドへの作品提供、空間ディスプレイ、プロダクトデザインを手掛ける。09年には韓国・ソウルのハンガラム美術館で開かれた「U.S.B: Emerging Korean Artists in the World 2009」展や、アメリカ・サンフランシスコのSUPERFROG Galleryにて作品展示を行ったほか、15年には初となる作品集『TROPHY』を刊行。それに合わせ、「トロフィー」(ラフォーレミュージアム原宿、東京、2015)を開催。ぬいぐるみやアメリカン・トイ、達磨や招き猫、熊手といったアイテムをコラージュして作られるキムの作品群。「ジャンク・コラージュ」と評されるこうした手法をキムが採用するのは、キムの在日朝鮮人三世という出自と無関係ではない。作品には、常にマイノリティーとして生きてこざるを得なかったキムの多文化主義に対する理想が投影されている。作品は一見「ジャンク」であるようでいて、その世界は奇妙なバランスで均衡を保っている。