下瀬美術館

　2023年3月開館。コンセプトは「アートの中でアートを観る。」。建築は世界で活躍する建築家・坂茂が設計した。水盤に並ぶキューブ型のカラフルな「可動展示室」は、坂が海に浮かぶ島々から着想し、水の浮力によって動かすことで配置を変えることができる。展示作品の鑑賞とともに、季節の草花が風にそよぐ「エミール・ガレの庭」や、瀬戸内の多島美を望める展望エリア「望洋テラス」の散策も楽しめ、建築とアートを堪能するひとときを過ごせる。

　コレクションは、広島市に本社を置く建築資材の総合メーカー 丸井産業株式会社の代表取締役・下瀬ゆみ子と、その両親が半世紀以上をかけ形成してきた約500点を所蔵。子供の成長と平和な世の中を祈って集められてきた京都・大木平藏の雛人形や雛道具、御所人形から始まり、その後、日本近代や西洋の絵画、工芸へと広がっていった。

　敷地内には坂茂がこれまでに手がけた別荘建築をリメイクしたヴィラや、フレンチレストランからなるアート・オーベルジュも併設している。