REVIEW - 2021.3.4

線路に沿うように進む鑑賞。若山満大評「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」展

社内運動会のたばこ火つけ競争 昭和33年11月9日 提供=東武博物館

昭和31年から会社と労働組合の共催で始まった社内運動会は、草加や春日部など沿線中学校の運動場を借り、社員の家族も参加して行われてきました。この年最初の種目はたばこ火付競争です。奮闘するお父さんたちに家族の応援が飛び、会場は笑いに包まれました。(展示キャプション)

「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」展展示風景 提供=東武博物館

風呂敷包みをもつ少年 昭和30年夏 提供=東武博物館

草加市にあった踏切を撮影したものです。未舗装の道路、ランニングシャツに短パン、夏の学生帽といういでたちの少年が時代を感じさせます。草加市には昭和37年に団地が建設され、以降、ベッドタウンとして開発されていきます。現在この付近の線路は高架化され、踏切もなくなりました。(展示キャプション)

乗務員休憩所でくつろぐ車掌 昭和34年2月18日 提供=東武博物館

浅草駅に乗務員の休憩所が新設されました。机にはやかんののった電気コンロも置かれ、「食事などは立ったまま済ませたこともありましたが、今度は落ち着いて食べられます。」と好評でした。(展示キャプション)

霞ヶ丘団地と上福岡駅の階段 昭和34年12月22日 提供=東武博物館

都市人口急増に対処するため、昭和30年に日本住宅公団が発足し、大都市周辺に「団地」が建設されていきました。埼玉県ふじみ野市の霞ヶ丘団地は昭和34年6月に204棟が完成し、3か月で全戸入居しました。水洗トイレの普及は団地から始まり、「ダイニングキッチン」という言葉も住宅公団から生まれました。(展示キャプション)

縁日の虫売り 昭和30年8月23日 提供=東武博物館

埼玉県杉戸町にある永福寺の大施餓鬼の縁日で見られた虫売りの屋台です。虫の種類は不明ですが、鈴虫など鳴き声を楽しむ虫と思われます。虫と一緒に竹ひごで作られた虫かごも商っていました。(展示キャプション)

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編集部