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マシュー・バーニーがアメフト選手に復帰? スポーツへの熱狂を問う最新作、フランス初公開

夏季オリンピックに沸くパリで、アスリートからアーティストになったマシュー・バーニーの久しぶりの個展を見ることができる。会場は1994年に初の長編映画『Cremaster 4』を共同制作し、翌年同名の展覧会を開催したカルティエ現代美術財団。フランス初公開のビデオインスタレーション《SECONDARY》と現地制作した「拘束のドローイング」シリーズ最新作に迫る。

文=飯田真実

マシュー・バーニー SECONDARY 2023 (production stills)© Matthew Barney, Photographie du film : Soren NielsenCourtesy de l’artiste, Gladstone Gallery, Sadie Coles HQ, Regen Projects et Galerie Max Hetzler

試合もしくは選手生命の終了

 カルティエ現代美術財団の前庭に茂る草花の合間に、競技場で時間を測る大型タイマーが置かれ、赤色で「00 00:00」を表示している。その背後にある建物はガラス張りで室内の展示風景が見える。入り口の左側にある地上階展示室の床には、「フィールド・エンブレム」と呼ばれる開口とその閉鎖を意味するシンボルを含む幾何学がやはり赤系の色で構成された長方形のカーペットが敷かれていて、近代的な体育館のようにも見えるがそこに選手の姿はない。いっぽう、会場の上方には大きなモニターが5つ、どの観客席的な位置からも見られるように吊され、実在するアメリカンフットボールのユニフォームを着た6人のパフォーマーが、同じセットが組まれた舞台で練習や試合をしているような60分の映像が流れている。

カルティエ現代美術財団での展示風景より、マシュー・バーニー《SECONDARY》(2023)
© Matthew Barney, Photo: Eva Herzog.

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