「あるがままの自然」を問い直す。現代画家・尾潟糧天の展覧会「PHYSIS」がMA5 Galleryで開催

南⻘⼭のMA5 Galleryで尾潟糧天の展覧会「PHYSIS」が開催される。会期は3月31日〜4月30日。

 オーダーメイドのモーターヨットを制作してきたSanlorenzo Japan株式会社が、南⻘⼭のMA5 Galleryで、尾潟糧天の展覧会「PHYSIS」を開催する。会期は3月31日〜4月30日。

 尾潟糧天は1994年北海道下川町⽣まれ。故郷の⾃然豊かな環境で育った経験にヒントを⾒出し、海や植物をモチーフにした作品を主として制作している。⼈と⾃然の関係性やテクノロジーとの接続など、様々な観点からコンセプチュアルに⾃然を描くことで、⾃然との境界を⾒つめ直し、観客の思考を引き出す世界観づくりを⽬指してきた。

尾潟糧天
尾潟糧天

 本展は、様々な⾓度から五感に働きかけることで「Physis」としての海と⾝体を⾒つめ直し、世界との向き合い⽅を問いかけるもの。「Physis」とは、「⾃然」を表現する概念のひとつで、万物の存在そのもの、つまり「あるがままの姿」を指し⽰すという。この「Physis」に着目した契機を、尾潟は「昔から海には、畏怖の感情を抱いていました。とてつもなく大きな生き物の気配の様な、理屈ではない何かがそこにはあるとも感じていました。そして”Physis”の概念に出会ったとき、足りないピースがはまったような、納得に近い感覚がありました」と述べている。

 また、尾潟は本展について次のようにコメントしている。「言葉は世界に文化をもたらしましたが、時には必要以上に境界線が引かれてしまうきっかけにもなります。『分かる』ことに躍起になり過ぎると、説明のつかないものは拒んでしまうか、そもそも見えなくなってしまうのではないでしょうか。変容していく世界の中で、私たちは常に自然との関係性を再解釈していく必要があるように思います。本展では、”Physis”という概念から着想を得て、理屈を超えた海の力を『描く』ことで読み解いていきます。観客にとって、身体と自然が再接続されるような時間になれば嬉しいです」。

編集部

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