平手による個展「拳に綿を詰める」が開催。実在しない誰かと生きることをテーマにオブジェを展示

第23回グラフィック「1_WALL」のグランプリを獲得した平手。その個展「拳に綿を詰める」が東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。

平手「拳に綿を詰める」メインビジュアル

 人間の形状を模したテキスタイルオブジェを中心に構成した作品《あなたは風穴》で第23回グラフィック「1_WALL」のグランプリを獲得したアーティスト・平手。その個展「拳に綿を詰める」が東京・銀座のガーディアン・ガーデンで開催される。会期は4月12日〜5月21日。

 平手は1997年神奈川県生まれ。2016年多摩美術大学油画専攻入学、2018年には同大を中退し肉屋、翌年に寿司屋で働き始める。2020年に「ここのがっこう」プライマリーコース24期へ参加し、修了した。

 平手はグランプリ受賞時、審査員からは知人から譲り受けた布からつくり出した作品の、身に着けることができる立体造形力や技術力の高さや、制作に対する実直な姿勢が高く評価された。

平手

 個展「拳に綿を詰める」では、実在しない誰かと生きることをテーマに、染色した布や綿などを用いて制作した人型のオブジェを展示。オブジェは、話しかける、拳を振りかざす、音を奏でるなどの、見る者に働きかけるなどの機能を有するという。このオブジェにより、実在しない誰かの存在を実現し、展示空間に入り込んだ鑑賞者との間に相互作用が発生することをねらう。

 また、インスタレーション作品に加えて、映像、写真、ドローイング、マンガなどを、町に見立てた会場空間に展示する予定。会期中は、会場内に設置した家に作家が一時的に滞在する予定。さらに4月26日には、アートディレクターでありグラフィックデザイナーの上西祐理をゲストに迎えトークイベントも実施する。

 受賞から約1年を経ての個展。平手の制作活動の成熟をぜひ現地でたしかめてほしい。

編集部

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