11月15日に約508億円で落札され、世界最高額となった美術品として、その行方に注目が集まっていたレオナルド・ダ・ヴィンチの《サルバトール・ムンディ》。12月7日に、アブダビの美術館「ルーヴル・アブダビ」が、「Da Vinci’s Salvator Mundi is coming to #LouvreAbuDhabi(ダ・ヴィンチの《サルバトール・ムンディ》がルーヴル・アブダビにやってきます)」と、同作を展示することをInstagramで明らかにした。
しかし、同時点では作品の購入者については言及されておらず、『ニューヨーク・タイムズ』や『ウォール・ストリート・ジャーナル』などがこぞって「謎の購入者」を予測する記事を掲載してきた。
そしてルーヴル・アブダビの投稿から一夜明けた8日、ついに在米サウジアラビア大使館が公式声明を発表。購入者を明らかにした。
同大使館は声明の中で、同国のバデル王子が《サルバトール・ムンディ》をルーヴル・アブダビに展示するため、アブダビ文化観光局の要請のもと仲介購入者となったことを発表。バデル王子はルーヴル・アブダビの「friendly supporter(親しい後援者)」であり、11月8日に行われた同館開館式に出席の際、購入の仲介者となることを要請されたという。
また、ルーヴル・アブダビも9日のInstagramで「The work was acquired by the Department of Culture and Tourism - Abu Dhabi for the museum.(作品はアブダビ文化観光局が美術館のために購入した)」と明言している。
加えて、クリスティーズもアブダビ文化観光局が同作を獲得したことを明言するリリースを発表。「我々はこの素晴らしい絵画がルーヴル・アブダビで一般公開されることを喜ばしく思う」との一文を添えている。
世界で最も高額な作品は、アブダビのアイコンとしてその存在感を放ち続けることになるだろう。