現在発売中の『美術手帖』11月号では、アートにおけるジェンダーやセクシュアリティをとりあげる「GENDER IS OVER!?」特集を掲載している。これに関連して、11月号の表紙写真とインタビューに登場した写真家の森栄喜と、東京都写真美術館学芸員の伊藤貴弘(予定)によるトークイベントが開催される。
森は、第39回木村伊兵衛賞を受賞した写真集『intimacy』(2013)など、セクシュアリティや性差を主題に作品を制作してきた。最新作の「Family Regained」は、様々な家族に森自身が入り込み、セルフタイマーで撮影した「家族写真」のシリーズ。血を想起させる真っ赤な画面を用い、多様な形態を持つ今日の家族像を浮かび上がらせている。
いっぽう伊藤は、東京都写真美術館で開催中の「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」を企画。長島有里枝もまた、写真を通して社会における「家族」や「ジェンダー」のあり方を問い続けてきた写真家だ。また伊藤は、森の「Family Regained」の撮影にも立ち会っている。
本作「Family Regained」をはじめとし、写真におけるジェンダーやセクシュアリティ、これからの家族像などをめぐる貴重な対談を聞くことのできる機会となりそうだ。