チームラボが、アメリカ初となる常設ミュージアムを南カリフォルニアのアナハイムに開設する計画を発表した。開館は2030年を予定している。
街区の文化的な中核
新たなミュージアムは、アナハイムで建設が進む大規模複合開発プロジェクト「OCVIBE」内に誕生するもの。延床面積は約1万平方メートルにおよび、建築設計はsmith-clementiが担当する。
OCVIBEは、アナハイムのホンダセンター周辺に広がる約40ヘクタールの敷地を再開発するプロジェクト。サミュエリ・ファミリーによる50億ドルの民間資金をもとに、スポーツ、音楽、エンターテインメント、アート、飲食、商業施設、住宅などを一体的に整備する。2033年の全面開業を予定しており、公共空間や、35店舗以上の飲食店、2000戸を超える住宅などが整備される計画だ。
今回のミュージアムは、その街区全体の文化的な中核として位置づけられている。OCVIBEではアートを建築や景観、公共空間に組み込み、街を歩く体験そのものを豊かにすることを目指しており、チームラボの施設もその一翼を担うことになる。
建築は、彫刻のような立体的な外観が特徴となる。没入型の展示空間には外光を遮ることが求められるため、建物内部は窓の少ない構造とし、その外側を「煌めく外装(クローク)」で包み込む設計を採用。自然界の形態に着想を得た外装には鱗や動きを思わせるパターンが施され、太陽光や天候、見る角度によって異なる表情を見せるという。
また、隣接する交通拠点「ARTIC」や公園との関係性も重視。建築そのものが周辺の都市景観に変化をもたらすことが意図されている。
今回の発表に際し、チームラボ代表の猪子寿之は北米初となる大型ミュージアムの開設を喜びつつ、チームラボがアートを通じて人間の認識や存在のあり方を探求してきたことに言及。「鑑賞者の存在によって作品が変化し、人が作品の一部となる体験を、スポーツや音楽、文化が交差するOCVIBEという場所で生み出したい」との考えを示した。
OCVIBEでは2027年3月に約5000人を収容するコンサートホールが開業し、同年中にマーケットホールやオフィスビル、公共空間などが順次オープンする予定だ。
東京の「チームラボプラネッツ」や「チームラボボーダレス」をはじめ、国内外で常設施設を展開してきたチームラボ。今回の計画は、没入型アート施設が単独の文化施設にとどまらず、大規模な都市開発や観光拠点づくりにおいても重要な役割を担いつつあることを示す事例と言えそうだ。





















