2023.2.10

「絹谷幸二芸術賞」が創設。若手美術作家を顕彰

絹谷幸二芸術賞実行委員会、産経新聞社、一般財団法人絹谷幸二美術財団は、優れた若手美術作家を顕彰する「絹谷幸二芸術賞」の創設を発表した。

絹谷幸二

 産経新聞社の創刊90周年を機に、絹谷幸二芸術賞実行委員会、産経新聞社 一般財団法人絹谷幸二美術財団の三者が優れた若手美術作家を顕彰する「絹谷幸二芸術賞」を創設する。

 絹谷幸二は1943年奈良県生まれの洋画家で日本芸術院会員。2009年から18年の間、10回に渡り毎日新聞社とともに「絹谷幸二賞」を主催し、若手作家を顕彰してきた。

 絹谷幸二芸術賞の対象は40歳以下の美術作家で、具象傾向の平面絵画作品を発表していることが条件。美術関係者からの推薦をもとに候補者を選出し、絹谷、島敦彦(国立国際美術館館長)、建畠晢(多摩美術大学学長)の3名で最終選考を実施。大賞1名(賞金100万円、副賞)と奨励賞1名(賞金50万円、副賞 )を決定する。

 賞の創設にあたり、島は「近年は、映像やインスタレーションなど美術の表現領域の拡大に目が奪われがちですが、古くて新しいメディアである絵画の可能性が汲みつくされたわけではありません。絹谷幸二芸術賞は、平面の新たな未来を開く仕事に焦点を当て、40歳以下のこれからが嘱望される若手の活躍を応援するものです」(リリースより一部抜粋)とのコメントを寄せている。

 また建畠は「デジタル技術がさまざまな視覚文化を覆い尽くしている時代にあって、かえって若い世代にはオーソドックスな絵画、それも人体表現を中心とした具象絵画を制作する画家たちが増えてきているように思われます」としつつ、次のように期待を寄せている。「意欲に満ちた若者たちのチャレンジ精神が、従来には見られなかったような絵画の可能性を切り開く新鮮な息吹を私たちに伝えてくれることを期待しています」(リリースより一部抜粋)。

 第1回の受賞者は今秋発表される予定だ。