マンハッタンのセントラル・パーク・ウエストに位置し、ニューヨークでは最古の博物館である「ニューヨーク歴史協会」。その建物の拡張計画が発表された。
同館は、今回の拡張で約6500平米のスペースを新設。ロバート・A・M・スターン・アーキテクツの設計によるこのスペースには、ニューヨーク初のLGBTQ+の歴史と文化に特化した博物館である「アメリカLGBTQ+博物館」が入居し、4階全体を使って2つのギャラリーやオフィス、収蔵庫などを設ける。
アメリカLGBTQ+博物館の理事長であるリチャード・バーンズは声明文で、「アメリカにおけるLGBTQ+の歴史と文化の豊かさや多様性を探求し、称賛することを目的とした新しい博物館を建設するために、ニューヨークでもっとも優れた歴史博物館と提携できることを嬉しく思う」とコメントしている。
この新しい博物館に加え、今回の拡張では教室やギャラリー、コレクション学習エリア、図書館のためのスペースも新設。例えば、新しい教室はニューヨーク市の小学6年生を対象とした「アメリカ民主主義アカデミー」プログラムのために使用され、ギャラリーと学習エリアは、大学院生に向けて博物館の専門家として活躍するための知識やスキルを提供するプログラムのために使用される予定だ。
拡張工事は2022年夏より段階的に実施し、24年に完成予定となっている。ニューヨーク歴史協会会長兼CEOのルイーズ・ミレーは、「最先端の教育スペースと、アメリカのLGBTQ+コミュニティの公民権闘争をテーマにした真新しいギャラリーで、アメリカの複雑な物語を余すところなく伝えるという夢を実現できることは、非常に喜ばしいことだ」と述べている。