新型コロナによって活動に影響を受けたアーティストを支援する、愛知県によるオンライン・アートプロジェクト「AICHI⇆ONLINE」がスタート。野田智子をプロデューサーに、山城大督をメディアプロデューサーとして新たに結成されたSAAC(Sustainable Arts Activity Cooperative)が企画・運営を担当する。
ロゴには、『ごんぎつね』などで知られる新美南吉が19歳のときに発表した詩『明日』から「明日はみんなをまっている。泉のようにわいている。らんぷのように点ってる。」という一節を引用。山城は「この時代を生きる私たちにとって、不確定で不安定な『明日』が、前途を照らす光明になるよう、このプロジェクトを発信します」とコメントしている。
本プロジェクトでは、愛知県内の場所や、同県が持つ文化的財産に着目したプロジェクトを新たに制作し、オンライン上で発表。今回は映画、美術、マンガなど多様なジャンルから9つの実施が決定した。アーティストだけではなくキュレーターにも企画を依頼するなど、様々な職能を持つ人々とともに、表現活動を続けていくための後押しとなることを目指す。
『リンダ リンダ リンダ』(2005)、『天然コケッコー』(2007)などで知られる映画監督・山下敦弘は短編映画を製作。ウェブサイトを通じて公開するほか、県内の映画館や文化施設で上映会を行う。
色鮮やかな空間に家具や日用品、自作の立体を組み合わせることで夢幻的なインスタレーションを生み出す玉山拓郎は、自身にとって初となるオンライン作品《A glass of water(仮)》を発表。平田尚也がVRデザインを担当し、その特性を生かした仮想空間を生み出す。
また、劇団「鳥公園」を主催する劇作家・演出家の西尾佳織と現代美術作家の河村美雪は、豊橋市美術博物館の所蔵作品カタログを見ながら生まれた対話を元にした映像プロジェクト「この町に住んでいる絵に会いにいく」を行う。
そのほかにも武部敬俊/ LIVERARY、劇団うりんこ/うりんこ劇場、書店「ON READING」、西田雅希/黒川岳、明貫紘子、三浦よし木によるプロジェクトが実施。作品の公開は、特設ウェブサイト上で2021年2月1日~3月21日を予定している。