森山大道のインスタレーション《Lip Bar》を常設展示。KAMU kanazawaが4つ目のスペース「KAMU L」をオープン

金沢の私設美術館「KAMU knanazawa」が12月12日に4つ目のスペース「KAMU L」をオープン。森山大道のインスタレーション《Lip Bar》を公開する。

「KAMU L」の森山大道《Lip Bar》 (C)Daido Moriyama Photo Foundation Courtesy of Akio Nagasawa Gallery

 今年6月、金沢に開館した私設現代美術館「KAMU kanazawa(カム カナザワ)」が早くも4番目のスペース「KAMU L(カム エル)」を12月12日にオープンさせる。

 KAMU kanazawaは、アートコレクターの林田堅太郎が設立した美術館。6月に金沢21世紀美術館から徒歩3分の場所にレアンドロ・エルリッヒの大作を常設するスペースを開館させ、その後10月24日には「KAMU BlackBlack」と「KAMU sky」という2つのスペースをオープンさせた。

KAMU centerのレアンドロ・エルリッヒ《INFINITE STAIRCASE》(2020)
KAMU BlackBlackの展示風景より、黒川良一《Líthi》(2020)
KAMU skyの展示風景より、久保寛子《泥足》(2020)

 そしてその4つ目のスペースとなる「KAMU L」は、金沢の中心部にあるとおりゃんせ KANAZAWA FOODLABOにオープン。「KAMU L」では、KAMU kanazawaのコレクションである森山大道のインスタレーション作品《Lip Bar》が公開される。

(C) Daido Moriyama

 森山大道は05年、新宿・ゴールデン街で開催されたアートイベント(GAW展 Part5)に出品を依頼された際、小さなバーの内側をすべて唇の写真で覆い尽くすというインスタレーションを発表した。この時の作品が原型となり誕生したのがインスタレーション《Lip Bar》だ。薄暗い部屋の壁には森山の唇の写真が繰り返しプリントされ、森山がとらえる社会の猥雑さや欲望を空間として体感できる。

森山大道 (C)Daido Moriyama Photo Foundation Courtesy of Akio Nagasawa Gallery

 この《Lip Bar》は、美術館開館時間帯の11:00~18:00(金・土は19:00まで)は鑑賞の場として、また20:00~24:00(月~土)にはバーとして運営。森山大道のインスタレーションの中でお酒を味わいながら、朝から夜まで金沢の街を舞台にアートを楽しむことができる。

 なおKAMUでは今後、《Lip Bar》の展示とともに、定期的に森山大道の写真集にフォーカスしたプログラムを行っていくという。

 国立工芸館が開館するなどアートがますます盛り上がりを見せる金沢において、次々と新たな展開を見せるKAMU kanazawaに注目だ。

(C) Daido Moriyama and KAMU kanazasa

編集部

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