株式会社ルミネは、東日本旅客鉄道株式会社と共同で新宿東口駅前の美化整備のため、パブリック・アートを中心とした新宿東口駅前広場を2020年7月19日にオープンする。
今回の新宿東口駅前広場の美化整備は、ルミネ初の取り組み。たんなる美化ではなく、「ストーリーを語れる場所を作ることで街の発展に貢献したい」という考えから、その中心にニューヨークで活躍する現代美術家・松山智一を起用し、広場全体がアート作品となるよう計画された。
松山は1976年岐阜県生まれ。現在ニューヨーク在住。NY Pratt Instituteを首席で卒業。ペインティングを中心に、彫刻やインスタレーションも手がけており、世界各地のギャラリー、美術館、大学施設等などで作品を発表。その作品はロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)やMicrosoftコレクション等に収蔵されており、マーケットでも高い人気を誇る。
リニューアルする広場全体のコンセプトは、都会を意味する「Metro」(メトロ)と、自然を意味する「Wild」(ワイルド)、そして当惑を意味する「Bewilder」(ビウィルダー)の3つを合わせた造語「Metro-Bewilder」(メトロビウィルダー)。その中央にそびえるのが、抽象化された「花束を持っている少年」をモチーフにした7メートルの巨大作品だ。
ルミネは、このパブリック・アートの監修・制作に松山を起用した理由として、「松山の作品の特徴でもある『西洋と東洋』『古典とポップカルチャー』などの相反する要素を“サンプリング”するスタイルが、新宿の“オフィス街と繁華街が共存し、世界中の多種多様な人が集まるカオス感”の表現に適していること、またアートに詳しくない方でも、見るだけで誰もが楽しめる作風であること」などを挙げている。
いっぽうの松山は、今回のパブリック・アート制作について、以下のようにコメントを発表した。
「今回のパブリックアート制作には、ミクロとマクロの2つの視点でのコンセプトがあります。ミクロな視点では、この場所が、これまであまり活用されていない場であったものの、見るアングルによっては“東京らしさ”を発見できる場所なので、この場所をテーマに「Metro-Bewilder」(メトロビウィルダー)という造語を作成し、新宿の大都会の中に自然をアートとくっつけて“訪れる人達に驚きを提供する”というコンセプトです。マクロな視点では、新宿は世界で一番の交通量があり、世界中から商業・文化・飲食などを求めて訪れる場所であると同時に、いまだにローカルカルチャーが根付いている場所でもあります。これは東京でもなかなかないことで、グローバルとローカルが共存しているからこそ喧騒感があり、個性がある、新宿のキャラクターが生まれているので、このローカルとグローバル=グローカルをコンセプトにプランニングしました」。