「現代美術とは何か?」この問いについて、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーターに聞く機会がやってきた。
同館は、オープンコース「What Is Contemporary Art?(現代美術とは何か?)」をオンラインで無料公開。同館のキュレーターたちは講師として、過去10年間に制作された作品に焦点を当てながら、同館が1980年代から現在までに収蔵した70点以上の作品を通して、この根源的な質問を考察していく。受講者は、世界的なアーティスト、建築家、デザイナーから、その制作のプロセスや素材、インスピレーションなどについて直接学ぶことができる貴重な機会だ。
コースは、テレビからインターネットまでのメディア、地域と交通、材料と製造、政府機関、電力といった5つのテーマに分けられており、「ビデオ」「リーディング」「宿題」で構成。これらのテーマは、同館の全学芸部門から集められた作品を通して探求される。例えば、3Dプリントのガラスや繊維の彫刻、工場や美術館でのパフォーマンス、テレビやビデオゲームへの介入、肖像絵画や人工知能によってつくられたもの、体の研究や集団行動などが挙げられる。
また、シェイラ・ヒックス、アーサー・ジャファ、ウィリアム・ポープ・L、建築事務所「Rael San Fratello」による4つの映像作品や、作品が同館に収蔵されているベアトリス・ゴンザレスやダヤニタ・シン、アマンダ・ウィリアムズなど30人のアーティストのインタビューもこのコースで視聴することができる。これらのプログラムを通して受講者は、今日のアーティストの実践や、現代の差し迫った問題に対する様々な対応方法について、より深く理解できるだろう。
なお、このコースのほかには、近代美術に関する「Modern Art & Ideas」、戦後の抽象絵画を紹介する「In the Studio: Postwar Abstract Painting」、写真に特化した「Seeing Through Photographs」などのオンラインコースも公開されている。そちらもあわせて楽しみたい。