大コレクターの視点で見るゴッホの魅力。映画『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』が10月に公開

今年10月より大規模回顧展が開催されるフィンセント・ファン・ゴッホ。その作品を収集し続けたコレクターの視点を通し、ゴッホの人物象と作品に迫るドキュメンタリー映画『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』が10月25日より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開される。

『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』より (C)2018- 3D Produzioni and Nexo Digital – All rights reserved

 ゴッホ作品の世界最大の個人コレクター、ヘレーネ・クレラー=ミュラー。その視点を通してゴッホの人物像と作品に迫るドキュメンタリー映画『ゴッホとヘレーネの森 クレラー=ミュラー美術館の至宝』が今年10月に公開される。

 ヘレーネ=・クレラー=ミュラー(1869〜1939)はオランダ有数の資産家。4人の子供の母だったミュラーは、娘が通っていた絵画教室で芸術に触れ、1906年頃から絵画コレクションをスタート。個人収集家としては最大規模の300点(うち油彩は85点)のゴッホ作品を収集し、38年にはクレラー=ミュラー美術館を開館させた。同館は、オランダのゴッホ美術館に次いで世界で2番目の規模のゴッホ・コレクションを有する美術館だ。

 本作の監修はキュレーターでゴッホ研究の第一人者であるマルコ・ゴルディン。ゴッホが修業時代に描いた素描画から自殺の直前まで変化し続けた作風を、波乱の人生と重ね合わせて解説する。また、『人間の値打ち』(2013)や『歓びのトスカーナ』(2016)などで知られる女優、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキがガイド役として登場し、ゴッホとヘレーネが残した膨大な手紙を手がかりに、2人の深層に迫っていく。

 なお今年10月11日からは上野の森美術館で「ゴッホ展」が開催。また11月8日からはジュリアン・シュナーベルがメガホンをとる映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』が公開されるなど、ゴッホに熱い視線が集まりそうだ。

編集部

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