この秋見たいコレクション展(東日本編)

北海道、東北、関東の美術館で開催中または開催予定の、編集部が注目するコレクション展を紹介する。 ※10月14日24時まですべての方に全文お読みいただけます

林明子《こんとあき》表紙原画(1989) 所蔵品展「絵本原画:林明子」(宮城県美術館)展示作品

「わたしのつくりかた」(北海道立近代美術館、9月12日〜12月20日)

 札幌市の北海道立近代美術館で、「リズムがわき上がる」「あなたとわたし」「生をうたう」という3つのキーワードを軸に、道内で活動する障害のあるアーティストたちの作品と、同館のコレクションを交差させながら紹介する「わたしのつくりかた」が12月20日まで開催されている。

弓山諒《MR》(2025) studio BREMEN

 本展では、人が作品を生み出す理由の多様性を提示。作家たちの生の営みそのものが宿る精神性と、表現の手触りを直接感じ取ることで、何かをつくり、表現することの根本的な意味を問いかける。参加作家は弓山諒、井上まさじ、高島衣里、中江紀洋、明子、柿﨑熙など。

会期:2026年9月12日〜12月20日
会場:北海道立近代美術館
住所:北海道札幌市中央区北1条西17
開館時間:9:30〜17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(11月2日、11月23日は開館)、9月24日、10月13日、11月24日
料金:一般 510円 / 大学・高校生 250円

「コレクションラボ014 岡山良一 八戸モダンの風」(八戸市美術館、7月25日〜11月16日)

 青森県八戸市の八戸市美術館で抽象表現を軸とする全国的な美術団体「モダンアート協会」の会員として活動した洋画家・岡山良一(1905〜1988)を取り上げる「コレクションラボ014 岡山良一 八戸モダンの風」が開催中。会期は11月16日まで。

岡山良一《るる》(1965) 八戸市美術館

 本展では、1965年に岡山が協会の会友へ推挙されて以降の絵画や半立体作品を中心に紹介。あわせて村井正誠や大久保景造など、岡山とともに活動した仲間たちの作品も展示し、雑誌・広告の挿絵や建築・インテリアデザインまで領域を越えて展開した彼の多彩な活動と地域のモダン表現の広がりに迫る。出品作家は岡山良一、村井正誠、大久保景造、遠瀬博、久保田政子、豊島弘尚、竹岸義貢、みうらゆみこ。

会期:2026年7月25日〜11月16日(前期・後期で一部展示替えあり)
会場:八戸市美術館
住所:青森県八戸市番町10-4
開館時間:10:00〜19:00
休館日:火(11月3日は開館)、11月4日
料金:無料

所蔵品展「絵本原画:林明子」(宮城県美術館、9月2日〜2027年1月31日)

 仙台市の宮城県美術館で、絵本作家・林明子の歩みをたどる所蔵品展「絵本原画:林明子」が2027年1月31日まで開催されている。

林明子《こんとあき》表紙原画(1989)

 本展は約619タイトル・1万1千枚以上の絵本原画コレクションを所蔵する同館が、林の代表作『はじめてのおつかい』(1976)の出版50周年や2026年7月の逝去に寄せて開催している特集展示だ。2017〜18年開催の原画展未出品作を含む原画のほか関連資料150点以上を展示し、初期のイラストレーションから『はじめてのおつかい』『こんとあき』(1989)などの人気作、後年作《ひよこさん》(2013)まで、世代を超えて愛される作家の創作の軌跡を紐解く。

会期:2026年9月2日〜2027年1月31日(第1期:9月2日〜11月3日/第2期:11月7日〜1月31日)
会場:宮城県美術館
住所:宮城県仙台市青葉区川内元支倉34-1
開館時間:9:30〜17:00 ※発券は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日は開館し翌平日休館)、11月4日〜6日、12月26日〜1月6日
料金:一般 350円 / 大学生以下無料

「Fly to the Moon: 月をめぐる5つの物語」(原美術館ARC、9月12日〜2027年1月11日)

 群馬県渋川市の原美術館ARCで、「月」を題材とした作品を核に、現代美術から古美術まで多角的な作品を組み合わせ4つの展示室で展開されるテーマ展示「月をめぐる5つの物語」が2027年1月11日まで開催されている。

三島喜美代《Newspaper-84-E》(1984)セラミック、シルクスクリーン、105 x 74 x 102 cm

 本展ではロバート・ラウシェンバーグの版画作品《ブースター》をはじめ、野口里佳、菅井汲、倉俣史朗、伝 小栗宗湛などの作品を5つのエピソードで巡り、月をめぐる人々の思考やストーリーの広がりを提示する。ほかにも出品作家にはアンディ・ウォーホル、荒木経惟、奈良美智、三島喜美代らが名を連ねる。

 会期:2026年9月12日〜2027年1月11日(会期中、古美術作品の展示替えあり)
会場:原美術館ARC
住所:群馬県渋川市金井2855-1
開館時間:9:30〜16:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(12月31日は開館)、1月1日
料金:一般 1800円 / 70歳以上 1500円 / 大学・高校生 1000円 / 小中学生 800円

「MOMASコレクション 特集 堀浩哉:ゼロからの実践」(埼玉県立近代美術館、9月5日〜11月29日)

 さいたま市の埼玉県立近代美術館で美術やその制度を根底から問い直すところから作家活動を開始した堀浩哉(1947〜)の足跡を辿る「MOMASコレクション 特集 堀浩哉:ゼロからの実践」が11月29日まで開催されている。

堀浩哉《鑑賞を拒否する》(1969 / 1992)

 堀は1960年代末から70年代にかけて、美術家共闘会議(美共闘)や美共闘REVOLUTION委員会の活動に携わりながら、既存の文脈や意味が解体・再編されていく様々なイベントや、絵画の要素である色や線に焦点を当てたコンセプチュアルな制作を手掛けた。70年代末からは、絵画制作に向き合うようになり、線、ストローク、絵具の層などの重なりに目を向けながら、表現をレイヤーのように積層させることで絵画を制作。本展では、新規に収蔵された絵画作品も含め、1960年代末から2000年頃までの制作の軌跡を同館のコレクションや資料を通じて紹介し、作者の思考の深まりに迫る。

会期:2026年9月5日〜11月29日
会場:埼玉県立近代美術館
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
開館時間:10:00〜17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(10月12日、11月9日、11月23日は開館)
料金:一般 200円 / 大学・高校生 100円

「練馬区立美術館コレクション 若林奮-Run and Rest-|寺田真由美-不在の存在-」(練馬区立美術館、7月25日〜10月18日)

 東京・中村橋の練馬区美術館で「練馬区立美術館コレクション 若林奮-Run and Rest-|寺田真由美-不在の存在-」が開催されている。

若林奮《Run and Rest》(1996) 撮影:山本糾

 若林奮(1936〜2003)は、主に鉄を素材として「自然」「時間」「空間」などに対する観察や思索を抽象的な形態に表した彫刻家だ。寺田真由美は1958年練馬区生まれ、ニューヨーク在住のアーティストで、室内模型を撮影した写真作品や立体作品、石彫を制作する。本展では、同館の収蔵作品を中心に、若林と寺田をそれぞれ個展形式で紹介する。「若林奮-Run and Rest-」では、2024年度に寄贈された彫刻《Run and Rest》(1996)、版画《GRASS》(1993)、ドローイングを含む70点を紹介。「寺田真由美-不在の存在-」では、これまで同館に寄贈された35点を含む作品を紹介する。

会期:2026年7月25日〜10月18日
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-27
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:10月13日
料金:一般 500円 / 大学・高校生・65〜74歳 300円 / 中学生以下・75歳以上無料

「エトランゼたち —洋画家たちのヨーロッパ体験」(アーティゾン美術館、10月24日〜2027年1月31日)

 東京・京橋のアーティゾン美術館で明治維新以降に西洋文化を学ぶため渡欧した日本の洋画家たちに焦点を当てる「エトランゼたち —洋画家たちのヨーロッパ体験」が開催される。会期は10月24日〜2027年1月31日まで。

黒田清輝《針仕事》(1890)石橋財団アーティゾン美術館

 本展では、石橋財団コレクションから黒田清輝、藤島武二、安井曾太郎、藤田嗣治らによる滞欧作100点以上を一挙に公開。画塾でのデッサンや美術館での名画模写、現地での風景描写などを通じて異邦人(エトランゼ)たちが何を学び、いかにして自らの絵画表現を切り拓いたのかを紐解く。あわせて会場の一部では同館のコレクション名作選も展示される。

会期:2026年10月24日〜2027年1月31日
会場:アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2
開館時間:10:00〜18:00(金〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(11月23日、1月11日は開館)、11月24日、12月28日〜1月4日、1月12日
料金:ウェブ予約チケット 1200円 / 窓口販売チケット 1500 円 / 学生無料(要ウェブ予約)

「目黒区美術館コレクション展『東京パック』とその時代 +特集展示 北澤楽天の『子供之友』」(目黒区美術館、10月10日〜11月15日)

 東京・目黒の目黒区美術館で日本初のフルカラーマンガ雑誌『東京パック』の原画を中心に当時の視覚文化と社会情勢を紐解く「目黒区美術館コレクション展『東京パック』とその時代 +特集展示 北澤楽天の『子供之友』」が11月15日まで開催されている。

『東京パック』第12巻第4号(1919)東京パック社刊 目黒区美術館蔵

 本展では、同館が所蔵する1920年代から30年代頃の第3次・第4次『東京パック』の原画96点を公開。関東大震災後の復興期から世界恐慌、戦争へと向かう激動の時代を、鋭くもユーモラスに写し取った風刺表現を紹介する。さらに、創刊者・北澤楽天の生誕150年を記念し、彼が絵画主任を務めた絵雑誌『子供之友』の原画も特別展示され、風刺画とは異なる楽天の魅力と表現の広がりに迫る。

会期:2026年10月10日〜11月15日
会場:目黒区美術館
住所:東京都目黒区目黒2-4-36
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(10月12日は開館)、10月13日
料金:一般700円、大学高生・65歳以上550円、中学生以下無料

「コレクション展:海をこえてゆく彼女/ハイライト」(横浜美術館、8月1日〜2027年2月11日)

 神奈川県横浜市の横浜美術館で20世紀以降に国境をこえて活動した女性たちに焦点を当てる特集展示「海をこえてゆく彼女」を軸としたコレクション展が開催中。会期は2027年2月11日まで。

マリア・ファーラ《ルームサービス》(2021) 寄託作品 ©Maria Farrar/ Courtesy Ota Fine Arts

 本展では、20世紀以降に国境をこえて活動した女性たちを紹介。海外文化に接した女性画家の第一世代となった3人の作家と家族との関係を振り返る構成から始まり、欧米圏から日本を含むアジアへ渡航した作家たちの作品を展覧する。さらに、第二次世界大戦後の高度経済成長期や1964年の海外旅行自由化といった時代背景のもと、異国で美術を学んだ作家や世界各国を旅して創作の糧とした作家を取り上げる。20世紀後半以降、ヴェネチア・ビエンナーレをはじめとする国際展で活躍した女性アーティストたちの創作もたどる。

会期:2026年8月1日〜2027年2月11日(11月24日〜12月10日は閉室)
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間:10:00〜18:00(11月2日・7日・14日・20日・21日・22日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:木(11月19日、2月11日は開館)、11月24日~12月10日、12月29日~2027年1月3日
料金:一般 500円 / 大学生 300円 / 高校・中学生 100円 / 小学生以下 無料

「ポーランド・ポスター2 銅版画家渡辺千尋旧蔵品から」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、10月17日〜2027年1月31日)

 神奈川県鎌倉市の神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で東欧革命前後の激動期に制作されたポスター表現に焦点を当てる「ポーランド・ポスター2 銅版画家渡辺千尋旧蔵品から」が10月17日から開催される。会期は2027年1月31日まで。

ヴィエスワフ・ヴァウクスキ《セルゲイ・プロコフィエフ ロメオとジュリエット》(1996) 印刷、紙 神奈川県立近代美術館蔵

 本展では、銅版画家・渡辺千尋が東欧革命直後の現地で収集し同館に寄贈されたコレクションから、1989年前後に活躍したポスター芸術家4名(ミェチスワフ・グロフスキ、スタシス・エイドリゲヴィチウス、ヴィクトル・サドフスキ、ヴィエスワフ・ヴァウクスキ)の計70点を厳選して展示。国家による統制や検閲下でありながら高い芸術性をもち、時代ならではの深刻さと緊張感を孕んだ表現の魅力に迫る。

会期:2026年10月17日〜2027年1月31日
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(11月23日、1月11日は開館)、12月28日〜1月4日
料金:一般250円 / 20歳未満・学生150円 / 65歳以上・高校生100円 / 中学生以下無料 / 障害者手帳等、ミライロIDをご提示の方(および介助者原則1名)は無料 ※11月3日、11月17日は無料開館日
主催:神奈川県立近代美術館
後援:ポーランド広報文化センター
※減免やその他の情報については美術館にお問い合わせください。

「開館25周年記念プログラム コレクション・シネマ」(ポーラ美術館、6月17日〜2027年4月7日)

 神奈川県箱根町のポーラ美術館で同館の開館25周年を記念し、新収蔵作品の中から珠玉の映像作品2点を前期・後期に分けて初公開する「開館25周年記念プログラム コレクション・シネマ」が開催中。会期は2027年4月7日まで。

クリスチャン・マークレー《ドア》(2022) シングル・チャンネル・ヴィデオ カラー/モノクロ、サウンド 無限ループ © Christian Marclay

 前期(11月30日まで)では、映画史からの膨大な引用とコラージュによって構成されたクリスチャン・マークレーが10年を超える歳月をかけて制作した映像作品《ドア》を展示。後期(12月4日〜2027年4月7日)では、絵画の思考を映像表現へと昇華させ、生成・変容し続ける色彩とサウンドで没入的体験を生み出すゲルハルト・リヒターの《ムーヴィング・ピクチャー(946-3)京都ヴァージョン》を初公開し、現代美術の最前線に迫る。

会期:2026年6月17日〜2027年4月7日(前期:6月17日〜11月30日/後期:12月4日〜2027年4月7日)
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:12月1日(12月2日・3日は本展のみ展示替えのため休室)
料金:一般 2200円 / 大学・高校生 1700円 / 中学生以下無料

編集部

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