原田裕規が日本ハワイ移民資料館で個展を開催へ。「ハワイ移民」テーマに新作展示
2019年以降断続的にハワイに滞在し、自らの出身地である山口や広島から海を渡った「ハワイ移民」の歴史をリサーチしてきた原田裕規が、新作個展を日本ハワイ移民資料館で開催する。会期は6月20日〜7月9日。
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『ラッセンとは何だったのか?』(フィルムアート社、2013)の編著者であり、金沢21世紀美術館や京都芸術センター、KAAT 神奈川芸術劇場などで個展を重ねてきたアーティスト・原田裕規。その新作個展が山口県の日本ハワイ移民資料館で開催される。キュレーションは塚本麻莉(高知県立美術館主任学芸員)。会期は6月20日〜7月9日。
原田は1989年山口県生まれ、岩国市・広島市育ち。2016年に東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻を修了し、19年以降は断続的にハワイに滞在し、自らの出身地である山口や広島から海を渡った「ハワイ移民」の歴史をリサーチしている。
本展は、多くの島民がハワイに旅立った歴史をもつ周防大島の歴史資料を公開する日本ハワイ移民資料館における、初の現代美術の展覧会。原田はここで、ハワイの日系アメリカ人をモデルに作成したCGの「デジタルヒューマン」に扮した作家が日系人に伝わる民間伝承に基づく様々なエピソードを語るという映像作品《Shadowing》を展示する。
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展示タイトルにある「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」は、民俗学者・宮本常一(周防大島出身)の著書『忘れられた日本人』所収の聞書「梶田富五郎翁」から引用されたもので、昭和25年に宮本が対馬で出会った周防大島出身の老人・梶田翁の台詞。
周防大島をはじめとする各地からハワイへと渡った人々は、多くの困難を乗り越えて現地で社会を築き、ピジン英語に代表されるトランスナショナルな文化を形成するに至った。原田はそのような彼/彼女らの歩みに、人間の力強い本性(ほんせい)を見出し、梶田翁-宮本の象徴的な台詞を展覧会名に据えることで、自作に新たな文脈を呼び込むことを試みる。
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