兵庫県南東部の伊丹市にある5つの施設が統合し、「市立伊丹ミュージアム(I/M アイム)」が4月22日に誕生する。
統合するのは柿衞文庫、市立美術館、市立工芸センター、市立伊丹郷町館、市立博物館の5施設。伊丹市では1984年に中心市街地・宮ノ前地区に柿衞文庫が開館。それに続き、建物を増築するかたちで87年に伊丹市立美術館が、89年には伊丹市立工芸センターが開館。2001年には江戸時代に建てられた旧岡田家住宅と旧石橋家住宅からなる伊丹市立伊丹郷町館が加わり、4施設が集う文化ゾーンは「みやのまえ文化の郷」となった。
今回の「市立伊丹ミュージアム」は、ここに博物館機能を移転させ、既存4施設をひとつに統合することで歴史・文化・芸術の総合的な発信拠点を目指す試みだ。
美術館は江戸時代に建てられた町家である旧岡田家住宅と旧石橋家住宅のほか、地下1階から2階に配された6つの展示室(展示室4は歴史常設展示として伊丹市域の歴史を史料で紹介)、作庭家・重森完途による日本庭園、アトリエ、俳諧・俳句ひろば、伊丹郷町クラフトショップなどで構成。美術だけでなく、多彩な文化を紹介する。
オープン記念展では、「『がまくんとかえるくん』誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展」と「丹波の工芸―杜のいろ」展を開催。
アーノルド・ローベル展では代表作である『がまくんとかえるくん』のシリーズ全4冊をはじめ、『ふくろうくん』や『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』など約30冊の絵本が貴重な原画や下絵、スケッチなど約200点とともに紹介される。
また「丹波の工芸―杜のいろ」には兵庫丹波を中心に活動する工芸作家17名が集結する。