山梨県立美術館は、同館所蔵作品を代表するジャン=フランソワ・ミレーの《種をまく人》のクローン文化財を3月15日から行われるコレクション企画展で公開する。
同館では昨年度、文化庁の文化芸術振興費補助金を受け、ミレーコレクションの中核をなす《種をまく人》《落ち穂拾い、夏》《夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い》の3点の超高精細画像を撮影。1枚の絵画に対し数百カットを撮影することで10000dpiという解像度となった画像は、肉眼では見ることのできないレベルまで画面上の対象をとらえているという。
この超高精細画像をもとに、東京藝術大学がオリジナルのマチエールを忠実に再現した精巧な複製「クローン文化財」を制作。3Dデジタル技術によって、額縁や絵画表面の凹凸までも再現された。
この《種をまく人》のクローン文化財は、作品を正確に後世に伝える役割を持つとともに、コレクションを広く周知するために使用される。