シュルレアリスムとの関連からモードの美に迫る。東京都庭園美術館で「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展が開催

シュルレアリスムとモードとの関連性をひとつの視座に、様々な美の表現に迫る「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展が東京都庭園美術館で開催される。

エルザ・スキャパレッリ イヴニング・ケープ 1938 京都服飾文化研究財団蔵 撮影=広川泰士

 シュルレアリスムがモードに与えた影響をひとつの視座としながら、自由な創造力と発想によってモードの世界にセンセーションをもたらした様々な美の表現に迫る「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」展が東京都庭園美術館で開催される。会期は1月15日~4月10日。

 20世紀最大の芸術運動といえるシュルレアリスム。その運動は芸術の枠を超えて、人々の意識の深層にまで影響を及ぼしていた。革新的な意匠を生み出し、時代を先駆けようとする優れたクリエイターたちの表現は、ときにシュルレアリスムの理念と重なり合うものであり、モードの世界にもシュルレアリスムに通底するような斬新なアイデアを垣間見ることができる。

ハリー・ゴードン ポスター・ドレス 1968頃 京都服飾文化研究財団蔵 撮影=畠山崇

 シュルレアリストたちと親交のあったエルザ・スキャパレッリ(1890〜1973)は、シュルレアリスムの潮流のなかで示された特異な感覚を、モードの世界に積極的に取り込んだ。いっぽうのシュルレアリストたちは、帽子や靴、手袋といったファッションアイテムを霊感の源として、絵画や写真、オブジェといった作品のモチーフとした。

 衣裳へのトロンプ・ルイユ(だまし絵)的なイラストの導入や、内側と外側の意識を反転させたようなデザイン等、シュルレアリスムを契機として出現した当時のユニークな発想力は「奇想のモード」として今日にまで影響を与え続けている。

串野真也 LUNG-TSHUP-TA 2009 作家蔵

 本展では、ヤン・ファーブル、スティーヴン・ジョーンズ、ジャン・デュパ、サルヴァドール・ダリ、ルネ・マグリット、マン・レイ、ハリー・ゴードン、マルタン・マルジェラ、ドルチェ&ガッバーナ、舘鼻則孝、永澤陽一らの作品を展示。16世紀の歴史的なファッションプレートから現代美術にいたるまでを幅広く展覧する。

編集部

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