LVMHグループによる財団が運営するパリの文化複合施設「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」で、世界有数の印象派・近代美術コレクションである「モロゾフ・コレクション」を紹介する展覧会が開催されている。会期は2022年2月22日まで。
モロゾフ・コレクションは、20世紀初頭のモスクワの芸術パトロンだったミハイルとイワンのモロゾフ兄弟によるコレクション。モロゾフ兄弟はヨーロッパやロシアの美術を支援し、フランスの近代画家たちの国際的な評価を高めることに大きく貢献した。この展覧会では、そのコレクションの中から200点の傑作がパリに集結。同コレクションがロシア国外で展示されるのは、20世紀初頭の創設以来初めてのこととなる。
展覧会ではマネ、ロダン、モネ、ピサロ、ロートレック、ルノワール、シスレー、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの著名なフランス人画家の作品がヴルーベリ、コローヴィン、ゴロヴィン、セローフ、ラリオーノフ、ゴンチャロワ、マレーヴィチ、マシコフ、コンチャロフスキー、ウトキン、サリアン、コネンコフといったロシアの巨匠と並ぶ。
また、フォンダシオン ルイ・ヴィトンはガリマール出版社との共同出版により、学術カタログ『モロゾフ・コレクション ‒ 近代美術のアイコン』も発行。このカタログは、プーシキン美術館と国立トレチャコフ美術館に保存されているモロゾフ兄弟の膨大な未発表アーカイブをもとに、モロゾフ家のユニークな歴史を物語る未発表の書物や資料を掲載する。
19世紀後半から20世紀初頭に出現した芸術の潮流を象徴する作品を、時代を超えて紹介する展覧会となっている。