鈴木理策がとらえた熊野の風景。写真展「海と山のあいだ 目とこころ」が開催

鈴木理策の写真展「海と山のあいだ 目とこころ」が、ニコンプラザ大阪のTHE GALLERYで開催。本展では、熊野の風景をとらえた作品群が並ぶ。会期は8月20日~9月2日。

出展作品

 映像的な写真作品で知られる鈴木理策の個展「海と山のあいだ 目とこころ」が、ニコンプラザ大阪のTHE GALLERYで開催される。会期は8月20日~9月2日。

 鈴木は1963年和歌山県新宮市生まれ。87年に東京綜合写真専門学校研究科を卒業した。98年に地理的移動と時間的推移の可視化を主題に、東京から新宮のお燈祭りまでをシークエンスで構成した写真集『KUMANO』(光琳社出版)でデビュー。2冊目の写真集『PILES OF TIME』(光琳社出版、1999)で第25回木村伊兵衛写真賞を受賞し、注目を集めた。

出展作品
出展作品
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 一貫して「見ること」への問題意識に基づき、熊野、サント・ヴィクトワール山、桜、雪、花、ポートレイト、水面などのテーマで撮影を続けている鈴木。主な個展に「意識の流れ」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、東京オペラシティギャラリー、田辺市立美術館、2015~16)、「水鏡」(熊野古道なかへち美術館、2016)、「Mirror Portrait」(タカ・イシイギャラリー、2016)、「熊野 雪 桜」(東京都写真美術館、2007)などがある。現在、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科教授。

 本展では、熊野の風景をとらえた作品群が並ぶ。鈴木は以下のようにコメントしている。

 熊野の風景を繰り返し撮影しています。何度同じ場所を訪れても、それは常に新しい経験であり、飽きることはありません。場所の証明としての写真より、世界に触れたことの結果を手に入れようとしているのです。対象を決めて撮影しても、撮ったものを見ると必ず新たな発見がある。撮影者という主体と共に客観性を含むことは写真の大きな魅力です。カメラの目は純粋だから、あるがままの世界を手に入れることができるかもしれない、そう思わせてくれるところがあります。  写真は撮ったものを見せることだと思われがちですが、「写真を撮ること」と「撮った写真を選ぶこと」は別の作業です。イメージとして表れてくるものを見つめ、それらを並べていくと、前後のイメージが手を結び、新しい時間が流れ出す。断片的な要素が観者の記憶を立ち上がらせることもある。目とこころはそれぞれに働きながら、深く関わり合っている。そのことを写真は実感させてくれます。

編集部

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