2020.5.16

アートにおける「ダーク」とは何か? Chim↑Pomやキュンチョメらによる「ダークアンデパンダン」がスタート

オンラインとリアルな展覧会会場において、アートにおける「ダーク」を公開するという「ダークアンデパンダン」がスタートした。

ダークアンデパンダンのウェブサイトより
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 表層では公開できない「産物」を集めて公開する──そんな試みが、ウェブとリアルな場で展開されようとしている。

 「ダークアンデパンダン」と題された本展は、卯城竜太(Chim↑Pom)、キュンチョメ、松田修、涌井智仁らによって主催されたもので、誰もがアクセスできるウェブサイトと、主催者によってキュレーションされた観客のみが観覧できるリアルな場での展覧会で構成。

 すでにローンチされたウェブサイトでは、Chim↑Pomや松田、キュンチョメらのほか、志賀理江子、小泉明郎、やんツー、毛利悠子、urauny、上村洋一、山田健二らが作品を投稿(一部内容は未公開)しており、規約に同意すれば誰もが作品投稿ができるという。

ダークアンデパンダンのウェブサイトより

 主催者は、本展開催に当たって公開した文書のなかで、「『開こう』と主催者がつとめるほどに、アートは孤独のアウラを剥ぎ取られるのだ。我々が見たいのはアーティストの深淵である」としており、「『すべての作品がすべての観客に開かれていなければならない』かのように『ショウ化』した昨今の美術展の鑑賞制度と、『共有』を標榜し、相互監視化したSNS社会は、その障害である」と主張。鑑賞行為を閉ざすいっぽうで、アーティストには無限の参加を開くという。

 なお、「ダークアンデパンダン」については、卯城竜太と松田修による連載「The Public Times」も参照してほしい。