葛西薫や髙田唯が参加。グラフィックの可能性を印刷で探る「グラフィックトライアル2019」をチェック

凸版印刷がクリエイターと協働し、新しい印刷表現を探る企画の14回目となる「グラフィックトライアル2019 -Exciting-」が、東京・文京区の印刷博物館P&Pギャラリーで開催される。本展には葛西薫、テセウス・チャン、髙田唯、山本暁が参加。会期は4月13日~7月15日。

テセウス・チャン Colour Noise

 凸版印刷がデザイナーやアーティスト、アートディレクターと協働し、新しい印刷表現を探る「グラフィックトライアル」。2006年にスタートした同企画では、毎年3~4名のクリエイターがポスター印刷を通して最新の印刷技術に挑戦してきた。その14回目となる「グラフィックトライアル2019 -Exciting-」が、印刷博物館P&Pギャラリーで開催される。

 今回参加するのは葛西薫、テセウス・チャン、髙田唯、山本暁の4名。「Exciting」をテーマに、あえて印刷のタブーに挑戦する、紙ではないものに印刷する、汚れたような表現を目指すなど、世代も作風も異なる4名による試行の過程を見ることができる。

葛西薫 興奮

 「ユナイテッドアローズ」や「虎屋」の広告制作・アートディレクションで知られる葛西は、印刷物が完成したときの「興奮」をテーマに作品を制作。いっぽう、コム・デ・ギャルソンや田名網敬一とのコラボレーション経験を持つシンガポール出身のアートディレクターであるテセウスは、カラフルなデジタルグラフィックデータが崩壊するさまをとらえた《Colour Noise》を発表する。

髙田唯 見えない印刷

 また、活版印刷工房を営みながら、ロゴマークや装丁など様々なデザインを手がける髙田は「見えない印刷」を制作。ウチダゴウによる詩を、光を当てると浮かび上がるインキで表現した。そしてアートディレクターの山本は、オフセット印刷の不良をポジティブに変換する作品を発表する。

 究極の漆黒を表現できるインキの開発や、トライアル史上初となる「光のRGB印刷」など、新たな印刷技術も見どころの本展。ポスターをめぐる4名の試行で、グラフィックの可能性を探ってみたい。

山本暁 オフセット印刷の不良

編集部

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