ギュスターヴ・モローの幻想世界。パナソニック 汐留ミュージアムで「ギュスターヴ・モロー展」が開催

フランス象徴主義を代表する画家、ギュスターヴ・モロー。その作品を、ギュスターヴ・モロー美術館の所蔵品から一堂に紹介する大規模展覧会「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」がパナソニック 汐留ミュージアムで開催される。会期は4月6日〜6月23日。

ギュスターヴ・モロー 一角獣 1885頃 キャンバスに油彩 115×90cm ギュスターヴ・モロー美術館蔵 Photo ©RMN-Grand Palais / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF

 フランス象徴主義を代表する画家ギュスターヴ・モロー(1826〜1898)。東京・汐留のパナソニック 汐留ミュージアムで開催される「ギュスターヴ・モロー展 サロメと宿命の女たち」展は、パリのギュスターヴ・モロー美術館の所蔵作品のなかから、女性をテーマにした作品を一堂に集め、身近な女性からファム・ファタル(宿命の女)まで多様な女性像を紹介し、新たな切り口でモロー芸術に迫るものだ。

ギュスターヴ・モロー 24歳の自画像 1850 キャンバスに油彩 41×32cm ギュスターヴ・モロー美術館蔵 Photo ©RMN-Grand Palais / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF

 モローは産業の発展によって現実主義的、物質主義的な潮流にあった19世紀後半のフランスにおいて、神話や聖書を主題としながら独自の理念や内面世界を表現した象徴主義の画家。妖艶で魅惑的な女性像を数多く手がけ、《出現》(1876頃)など、洗礼者ヨハネの首を所望するヘロデ王の娘サロメを描いた一連の絵画はファム・ファタルのイメージを決定づけるものとなった。

ギュスターヴ・モロー 出現 1876頃 キャンバスに油彩 142×103cm ギュスターヴ・モロー美術館蔵 Photo ©RMN-Grand Palais / René-Gabriel Ojéda / distributed by AMF

 本展は「モローが愛した女たち」「《出現》とサロメ」「宿命の女たち」「《一角獣》と純潔の乙女」の4章構成。ファム・ファタルとしての女性の他に、誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性、モローが実生活で愛した母や恋人など、彼の現実と幻想の世界に登場する様々な女性を採り上げ、その絵画表現や創作のプロセスに注目する。

 ギュスターヴ・モロー美術館全面協力のもと、《出現》や《エウロペの誘拐》(1868)、《一角獣》(1885頃)などモローの代表作を含む油彩、水彩、素描など約70点が揃う本展。モローの幻想的な世界を堪能したい。

ギュスターヴ・モロー 一角獣 1885頃 キャンバスに油彩 78×40cm ギュスターヴ・モロー美術館蔵 Photo ©RMN-Grand Palais / Christian Jean / distributed by AMF

編集部

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