パフォーマンスとビデオを融合させた表現を続けるアーティスト、ジョーン・ジョナスによる日本最大規模の個展・パフォーマンス公演が2019年12月から開催される。
大学で彫刻と美術史を学び、1960年代からパフォーマンス作品を発表していたジョナスが日本を訪れたのは70年のこと。能や歌舞伎に感銘を受けた経験と、ソニーのポータパックというビデオカメラが、その後の作品を大きく変えることになる。
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Performance at Ace Gallery, Los Angeles, California, 1972 Photo by Larry Bell
ジョナスは帰国後の72年、購入したてのビデオカメラを用いたパフォーマンス作品《Organic Honey’s Visual Telepathy》を制作する。仮面を付け、羽飾りとドレスをまとって登場するのは「オーガニック・ハニー」と名付けられた架空の女性像。その後も頻繁にジョナス作品に登場する仮面のモチーフは、能から影響を受けたものだという。
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Light Time Tales, Hangar Bicocca, Milan, Italy, 2014–15 Photo by Agostino Osio
その後ジョナスは、パフォーマンス、ビデオ、インスタレーションを行き来しながら、物語や神話を下敷きとした作品の制作を開始。グリム童話の「百槇(びゃくしん)の話」をモチーフにした76年の《Juniper Tree》をはじめ、女性が演じる役割やその表象について考察した作品の制作をいまなお続けている。
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Gavin Brown’s enterprise, New York, New York, 2017 Photo by Thomas Muller
本展では、この50年以上にわたるジョナスの活動を包括的に紹介する代表的作品から数点が展示される予定。
また、パフォーマンス公演は個展会期前の2019年12月12日に開催。このまたとない機会を逃さずにチェックしたい。