地域に根ざしたアート・プロジェクト「MOTサテライト」で街の歴史や営みに触れる

休館中の東京都現代美術館による都市型アート・プロジェクト「MOTサテライト 2017秋 むすぶ風景」が開催される。会場となるのは清澄白河エリアと東京藝術大学(上野)で、会期は10月7日〜11月12日。

下道基行 見えない風景ワークショップ 2016 Photo by Kazuhiro Tsushima 写真提供:Assembridge NAGOYA (参考図版)

 「MOTサテライト」は、改修工事のため現在休館中の東京都現代美術館(MOT)が、清澄白河エリアの人びとや施設の協力を得て、まちなかで展示を行なう試み。今春に開催した「MOTサテライト 2017春 往来往来」の続編にあたる今回は、地域の営みや歴史を体感できる展示や多彩なイベントを通して、まちと人とを結びつける。

 参加作家は、下道基行やAtsuko Nakamura、東京大学や東京藝術大学の研究室、フランスの芸術財団など、さまざまな領域で活動してきた作家や研究者たち。

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ Après la reprise, la prise(After the re-take, the take) 2009

 会場となる清澄白河エリアでは、町工場跡地などを利用した6ヶ所の「MOTスペース」と、店舗や文化施設の一部を借りた「MOTスポット」で展示を開催。現代美術作品を中心とした「まちの風景をえがく」と、体験型作品からなる「体験からめぐる清澄白河」という2つのカテゴリーに分類して作品を紹介する。

 また今回は、上記のエリアに加えて上野にも会場を拡大し、東京藝術大学上野キャンパス内のアーツ・アンド・サイエンス・ラボに「MOTスペース」を設置。パリの芸術財団・カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画「なさそうで、ありそうな」展を開催し、作品制作と人や社会との関わりについて考える。

 さらに、各拠点はARスタンプラリー「MOT Navi」で結ばれており、スタンプをすべて集めると、オリジナルグッズをもらうことができる。

 古くは松尾芭蕉も居を構え、戦後は聖火が通り、現在はカフェやギャラリーが活気を見せる清澄白河。過去と現在を結ぶ風景や作品をたどりながら、まち歩きを楽しんでみてはいかがだろう。

編集部

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