京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAでは、毎年国際的に活躍する海外作家の創造と実践に触れる機会として、展覧会や実践的なワークショップ、レクチャーなどが行われている。今年は挑発的かつアイロニカルな作風で知られるベルリン在住の美術家、クリスチャン・ヤンコフスキーを招聘し、日本初となる個展「Floating World」が開催される。
ヤンコフスキーは1968年ドイツ・ゲッティンゲン生まれ。これまでドイツのほか、ポーランド、メキシコ、イタリア、ニューヨークなどの美術館やギャラリーで個展を多数開催。またシドニービエンナーレ(2010)、ホイットニービエンナーレ(2002)、台北ビエンナーレ(2010)、ヨコハマトリエンナーレ(2017)といった国際的な展覧会にも参加してきた。
これまで様々な業種の人々との協働作業を通じ、アートワールドと別の世界とを接続することで、その関係性やそれぞれのあり方を問いかけてきたヤンコフスキー。その手腕は美術家としてのみならず、キュレーションの分野においても発揮されている。ヤンコフスキーが芸術監督を務めたヨーロッパ現代美術ビエンナーレ「マニフェスタ11」(チューリヒ、2016)では、「人間はお金のために何をするか?」をテーマに30名の作家が金銭や仕事を題材とした作品を出品。「芸術と社会は協働しうるか」という問題提起を示した。
今回ヤンコフスキーは、本展を開催するにあたって今年6月に来日。9月初旬には再び来日し、6月に行った京都でのリサーチ、本学出身の若手作家や学生を交えたレクチャーパフォーマンスを経て、編集/制作した作品を発表するという。