太田記念美術館が
落合芳幾の画業の全貌に迫る
世界初の展覧会を企画。

東京・渋谷の太田記念美術館が今夏の企画展で取り上げるのは落合芳幾(おちあいよしいく)。本展は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師・落合芳幾の知られざる画業の全貌を紹介する世界初の展覧会となる。出品数は80点以上。会期は8月3日〜26日

落合芳幾 時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂 太田記念美術館蔵

 落合芳幾(1833〜1904)は、幕末から明治にかけて活躍した浮世絵師の一人。ライバルの月岡芳年と競作した血みどろ絵《英明二十八衆句》や、明治の事件を報道した新聞綿絵など、浮世絵の歴史を語る上で欠かせない作品を数多く制作したが、その名はあまり広く知られていない。

 芳幾は、歌川国芳の門人として、幕末には「戯画」「美人画」「武者絵」「役者絵」「横浜絵」など、様々なジャンルの浮世絵に着手。明治時代に入ると、東京日日新聞(現・毎日新聞)や、歌舞伎雑誌の創刊に参加するなど、浮世絵師の枠を飛び越えた幅広い活動を行った。

落合芳幾 英名二十八衆句 春藤治郎左エ門 個人蔵
落合芳幾 真写月華之姿絵 三代目関三十郎 太田記念美術館蔵

 動物を擬人化したり、海外の絵画表現を積極的に取り入れていた師匠・歌川国芳の作風を受け継ぎ、奇抜なアイデアが光る作品も多数制作。影絵仕立て、あるいは写真仕立ての役者絵など芳幾のユーモアあふれる表現は鑑賞者を楽しませてくれるだろう。

 「落合芳幾」展は、芳幾の知られざる画業の全貌を解き明かす世界初の展覧会となる。浮世絵ファンは、是非チェックしてみてはいかがだろうか。

編集部

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