今年で6回目を迎える「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。今回は「UP」をテーマに、ジャン=ポール・グード、深瀬昌久、フランク・フォーヴァット、宮崎いず美、リウ・ボーリン、ローレン・グリーンフィールドら国内外15名のアーティストによる展覧会が開催中だ。
見どころのひとつは、1980年代から現在まで多岐にわたり活躍し、イメージメーカーとして名を博しているジャン=ポール・グードの展示。写真やインスタレーションに加え、パリ装飾美術館で2012年に披露された、グードによるコレオグラフィー作品《シャネルジュエリーへの賛辞》が再現され、会期中毎日ダンスパフォーマンスを鑑賞することができる。
また、自身にボディ・ペインティングを施し、都会の風景に紛れた写真作品を発表、「見えない男」として知られる中国の現代美術家リウ・ボーリンの最新作も日本初公開。祇園に新しく生まれたクリエイティブ雑居ビル「y gion」を舞台に作品を展開する。
国内からは、日常的な風景や身の周りにあるものと自身とを組み合わせ生まれたセルフポートレートをTumblrにて発表し、世界中で注目を集める宮崎いず美が参加。祇園の現代建築のビル丸々1棟をジャックし、新作や作家独自の世界観が濃縮されたインスタレーションを発表する。そして、近年国際的に再注目されている深瀬昌久の国内初の没後回顧展も開催。「自分とは何者か?」「写真とは何か?」という普遍的な問いを投げかけた深瀬のポートレート作品のほか、ひび割れの写真に自身がペイントを施した「HIBI」シリーズなどを展示する。
また、社会問題やそれに向き合う人々が被写体となる作品も集結。1968年の5月、パリでの学生運動を写真に収めたクロード・ディティヴォン、洪水災害に直面した人々の局面をとらえるギデオン・メンデル、人種差別やいわれなき暴力事件に立ち向かったアフリカ系アメリカ人の政治組織「ブラックパンサー」の活動を追ったステファン・シェイムスの貴重な作品群も紹介される。
こうした15の展覧会に加え、アソシエイテッド・プログラムは蜷川実花、 ジャック=アンリ・ラルティーグ、須田一政、林典子の写真展も開催。同時開催イベント「KG+」などもあわせてチェックしたい。